記憶と教訓、継承が使命 阪神・淡路大震災19年(神戸新聞) - goo ニュース
6434人が犠牲になった阪神・淡路大震災は17日、発生から19年を迎える。震災前から同じ住所に住む人は神戸市で3割、西宮、芦屋市で2割となり、人口の流動化が進む。災害復興公営住宅の高齢化率(65歳以上)は5割近くに上る。震災を経験した人の高齢化が進み、体験と教訓の継承が課題になっている。(木村信行)
兵庫県によると、被災12市の人口は震災前より7万人増の366万人(2013年12月時点)。震災後、約15万人減り、その後増え続けたが、12年から2年連続で減少した。
神戸市長田区(震災前比76%)、尼崎市(同91%)、淡路市(同83%)など4市と神戸市の4区で震災前の人口を下回ったままだ。
災害復興公営住宅は、265団地に約3万7千人が暮らす。高齢化率は、兵庫県が調査を始めた01年比で9ポイント増の49%となり、過去最高を更新した。
同住宅の「独居死」は13年の1年間で46人。自治体は見守り態勢を強化しているが、仮設住宅解消後の14年間で824人に上る。
最大350万円を被災者に貸し付けた国の災害援護資金は、1割強にあたる172億円(約1万1500人分)が未返済で、高齢化と不況で返済が困難な現状が浮かぶ。兵庫県の要望を受け、国は返済期限の3度目の延長を認める見通しだ。
復興事業のうち、唯一継続中の「新長田駅南地区再開発事業」は一部に空き地が残り、事業完了のめどが立っていない。入居から20年で自治体が返還を求める借り上げ復興住宅は、神戸市がシルバーハイツなど12団地の買い取りを表明。だが、返還を求められる高齢者から継続入居を求める声が上がる。
一方、3月11日に発生から3年となる東日本大震災の被災地には兵庫県や市町から今も134人の職員が派遣されるなど、息の長い支援が続く。