時々小雨の正岡子規葬送の道です。子規庵から大龍寺の途中の踏み切りで遮断機に捕まりました。
この天気なので誰も居ません。
人間国宝の板谷波山と同じ墓地です。
やって来ました。竹薮の下の正岡子規と母と正岡家の墓所です。
風が強く吹きます。雨を呼ぶのでしょうか?
真ん中に子規が居て、右に母八重、左に正岡家の墓です。正岡家は妹律が養子を取って継ぎました。
しゃがんで眺めます。語りかけます。
ずっと前に芽生えた小さな花が、コンクリートの割れ目で数を増やしてきました。墓参の人は誰も抜こうとはしなかったようです。供花のように左右に有ります。花の名前は分かりません。
左奥に糸瓜と竹薮を配した墓碑があります。
「正岡常規又ノ名ハ虎之助又ノ名ハ升又ノ名ハ子規又ノ名ハ獺祭書屋主人又ノ名ハ竹の里人伊豫松山ニ生レ東京根岸ニ住ス父隼太松山藩御馬廻り加番タリ卒ス母大原氏ニ養ハル日本新聞社員タリ明治三十▢年▢月▢日没ス享年三十▢月給四十円」 己の死を見つめ続けた俳人です。
再び三つの墓石を眺めます。新しく活けられた花が目を引きます。
奥には新しい卒塔婆がありました。118回忌です。
竹薮が揺れます。今にも降りそうな空です。
こんな天気なので誰も居ません。