荒川三歩

東京下町を自転車で散策しています。

この年で盲腸の手術をしたー1

2023年08月02日 | 散文

点滴が1本になりました。手術翌日です。

昼間からお腹がシクシクしていました。夕飯を食べたら膨満感で晩酌が進みません。みぞおちの痛みが時間の経過とともに下がって行きます。深夜2時頃眠れなくて、「痛みの原因はガスが溜まっているのかも」と思いトイレに行きました。3時頃吐き気がして激しく嘔吐しました。30分後にも吐きました。もう胃液しか出ません。これは食あたりだな。夕飯は「冷蔵庫の残り物片付day」でした。「犯人はどの食品だろう?」と思いながら回復を期待して寝ていましたが、お腹の痛みは激しくなるばかりです。

やっと夜が明けます。救急車を呼ぼうかと思いましたが、不急の救急車出動要請が増えて消防署が困っている、本当に救急車が必要な人の安全が脅かされている、と聞いています。掛かり付け医に行こうと考えました。開院は10時半です。電話して予約を取って、診察を受けるのは昼を過ぎるかも知れません。痛みは強くなって、今は強い痛みがお腹の右側に移動しています。そんなに永く耐えられそうもありません。家内に「救急車を呼んでくれ」とお願いしましたが、「症状が説明できないから自分でしろ」と言います。「症状の部分は私が話すから電話してくれ」と言っても私のスマホを押し付けます。•••自分で電話しました。症状等を色々説明して、出動のOKが出て住所を教えました。

暫くして救急車のサイレンが聞こえました。ちょっと安心します。救急車から電話があります。「3棟並んだ集合住宅のどれですか?」との問い合わせです。名前を教えたのに、、と思ったけど、そう言えば外壁や屋上に名前など書いていないよね、と思い直して教えました。•••来ません。待つときの時間はゆっくりと経過すると言います。•••再度救急車のサイレンが聞こえます。ん?なんだろう?•••最初のサイレンを聞いた時から思ったより遅かったですが、救急隊員がやって来ました!一安心ですが、色々と質問されます。さっき電話で話したじゃないか!と思いながらも質問に答えます。「食あたりだと思う」と言うと、メニューを問われます。「奥さんも同じものを食べたのですか?」とも聞かれます。質問が恥ずかしく煩わしくあります。早く病院に連れて行ってくれ!と思います。

担架に乗せられてエレベーターで1階まで降ります。途中3回止まりました。通勤時間帯です。学校が夏休みでなかったら各階停止です。階毎で小学生が大騒ぎする場面です。1階に降りると、顔見知りの管理人が緊張した顔でウロウロしています。挨拶する元気はありません。何より恥ずかしいです。駅に向かう人混みの中を、集合住宅前の道路の先に停車していた救急車まで運ばれます。仰向けに見る、今日も猛暑日であろう太陽が眩しいです。救急車に乗って、隊員が搬送する病院を探します。最初の病院に断られました。「隣の区の病院でも良いですか?」嫌も応もありません。その間、別の隊員が話し掛けてきます。気が紛れます。その中に驚きの話がありました。「我々の救急車が到着した時、別の救急車と消防車が止まっていて、隊員が入って行くのを見ました。消防車と救急車2台が止まったので、通行人もちょっとした騒ぎになりました」なるほど!そういう事だったのか!救急車のサイレンが2度鳴ったのも、サイレンが鳴ったのになかなか隊員が来なかったのも、知り合いの管理人が異常に緊張していたのも、全て理由が分かりました。

やがて搬送先が決まりました。最初に断られた大学病院です。住んでいる集合住宅の玄関から約100mの場所です。現在の住居を購入する時に、その病院の存在は大きな決断材料になりました。いざという時に安心できると思いました。でも、実際は紹介状が無いと大学病院は受け入れてくれません。紹介して貰おうにも、掛かり付け医は自分の系列の大学病院を紹介します。歩いて1分の病院でも、救急車でないと診察を受けられないのです。

この話続きます。

コメント (15)
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