荒川三歩

東京下町を自転車で散策しています。

都電梶原停留場脇の古書店

2022年07月06日 | 散文

よく行く梶原銀座商店街前の踏切です。

 

ウクライナ色の都電がゴトゴトと行きます。

 

左を見ると、線路にくっ付くように家が建っています。

 

周囲に家は無く、ポツンと1軒立っています。

帰省中に都電界隈のレポート番組を見て知りました。この家は停留場のホームにくっ付いた古書店です。

 

なるほど、ホーム脇に狭い通路が在ります。あんなに都電周辺を走ったのに、TVを見るまでここの存在を知りませんでした。

 

ホームを行ってみます。

 

 

 

店に続く通路を行ってみます。

 

 

 

TVでは、女子学生がこの古書の山の中で、好みの本を探していました。好いなと思いました。

 

通路の石段を上がるとホームです。TVでも常連さんがここから煙草を買っていました。銘柄は言わないで何箱と言うと、主人がいつもの銘柄を何箱渡します。そんなご近所や通勤客相手の商いです。

 

網で囲われた場所は国有地です。ここに道路を造る計画で、周辺の殆どの家が立ち退きを終えています。

 

主人はこの家から都電に乗って大学に通ったそうです。早稲田行きの都電の停留場は、沿線に多く在る有名大学の通学に便利です。

 

文学が好きで、編集に関わった仕事をし、引退後実家で古書店を営んだそうです。古書を買う人が少なくなりました。仕入れた本の数が増えるばかりです。そして、道路建設の為の立ち退きを迫られています。番組の最後の言葉は「もう年貢の納め時かな」でした。

 

帰京したら行かなければならないと思った場所でした。

初めてですが、見納めかも知れません。


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