映画を観た。
★狙った恋の落とし方(誠意なる婚活)
原題:非誠勿擾
監督:フォン・シャオガン
2008中国
可笑しな発明(意外にいいけど)で一夜にして大金持ちになった中年男の婚活物語。
人生訓になるようなお話がいっぱいちりばめられている。
会話のリズムが妙にリアリズム、これが中国的なのかもしれない。
80年代後半日本の一断面をみているような気がした。
バブル観満杯。
前半は婚活話がコミカルに描かれる。
バブル感溢れる小話でついクスクス笑ってしまうが、かっての日本でもこんな愉快な小話が平気で語られていたのである。
当時と違うのは、携帯電話もなく、まだまだアナログ感があったこと。
現代は、ネット社会の発達で見知らぬ他人と簡単に接触できる世界になったこと。
怪しい世界である。
後半の北海道旅行は、大人のラブロマンス。
北の透明な風景と重なり、人間の情もきれいに浄化されてゆく。
日本の細やかな情緒も美しく描かれ、《憧れの北海道》。
《昴》、《知床叙情》はやっぱりいいですね。
ここら辺りは心地良く酔わせてくれる。
高倉健スタイルのグォ・ヨウがカッコいいい。
この作品は、中国最大級の観客動員数だそうだ。
ラブコメディにほっと一息つく中国社会がよくわかる。
しかしお話は明らかに《バブル観満杯》である。
アーティストの捉えた感覚は鋭いですよ。