駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

飛翔体(ししょうたい)対応

2009年04月05日 | 小考
 昨日妻と仕事からの帰り道、カーラジオで「ししょうたい発射」の緊急放送を聞いた。アナウンサーが緊張しているせいか江戸っ子なのか「ひ」と「し」がはっきりしない。何度も聞いてやっと「ししょうたい」が「ひしょうたい」で、それは飛翔体のことだとわかった。いよいよやったかと思う内、「ごたんち」でしたとの訂正が入った。これも誤探知とわかるまで十数秒かかった。麻生さんに負けない漢字能力のある私や家内でも、咄嗟には何のことかわからない言葉遣いは改めて欲しい。それこそ「ごどうさ」の元になる。飛翔体はロケット、誤探知は間違いでよい。一段落したら詳しく説明すればよいのだ。
 間違いにはヒューマンファクターが付きまとう。それを防ぐにはいろんな方策があろう。多くの専門家が研究指摘されているはずだ。医者の私でも思いつくことは訓練に経験とフールプルーフやフェイルセイフの思想に基づいた手順の骨肉化だ。そして忘れてならないヒューマンファクターは適材適所だ。ある程度は訓練できるが危機に沈着冷静で居られるのには持って生まれた性質が関わる。
 救急外来の看護師を見ていれば分かる。慌てずどんどん身体が動いて必要な処置をしながら、五感と脳はちゃんと開いている。医師は全体を見て即座に的確な指示を短い言葉で出してゆく。もたもたして言い訳を言っているような奴は跳ね飛ばされる。
 緊急事態に向いていなくても大丈夫、人それぞれに向いた仕事が必ずある。
 しかしまあ日本人はとなるとちょっと心配である。どうも被害快復力には優れていても危機管理能力は低そうだ。どうしてそんなに大騒ぎするのか、理解に苦しむ。騒ぐと飛翔体が飛べなくなるというなら、わからんでもないが。
 追伸:本日の飛翔体発射の通報はうまくいったようだ。昨日の思わぬドジが良い経験になったらしい。
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