駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

将棋名人戦から連想

2009年04月11日 | 身辺記
 昔ヘボ将棋を指した。田舎有段者なのだ。
 将棋の名人戦が始まった。深浦が羽生からタイトルを取り損なった今、郷田は名人奪取のダークホースかも知れない。そう思っていたが、さきほどネットで見たら、第一局郷田が負けたので、奪取は難しくなった。郷田は直進型で連勝で取り連敗で失う棋士なので、何かきっかけがないと反転は無理そうだ。
 羽生の差し回しはいつもながら凄い。本質は攻め将棋なのだが、間合いを測るのが絶妙で要所では相手の出方を見て変幻自在に受け、相手の腰を伸ばしてしまう。
 へぼが盤上のことを書いては笑われる。得意?の盤外。確か郷田は独身ではなかったか。貴公子然として無頼派と聞く。角を矯めて牛を殺してはならんが、好き伴侶を得て、飲み屋のカウンターでなく家庭で羽を伸ばせば、勝負強くなると思うのは、余計なお世話か。
 へぼでも次の一手がある程度当たる。この当てるのにほとんど読みは入っていない(なにせ三手しか読めないから)。それでもプロの手が時々当たるのが面白い。
 自分は内科臨床のプロなのだが、プロでも正直しらみつぶしには考えていない。いくつかの手がかりに閃いて、途中を省略している。結論が先に見えてしまうのだ。それとこういう時にはこういう事はないと、捨てる判断力が未熟の医師よりも優れている。勿論、病気のことにはアマチュアの患者さんにも、それなりの体験や観察眼があるので、その意見を無碍に退けることはない。
 こうして考えなくてもわかるので、まだ現役でいられると思う。町医者に定年はないし上司はいない。だんだん老人力が付いてきたら何時身を引くべきか迷う。しかし心配しなくても、それは患者さんが教えてくれる。どうやってと思われるだろう。患者さんは実によく見ている、患者数が減るのだ。今のところ横ばいなので、私はまだ大丈夫らしい。
コメント
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