駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

学校医のつぶやき

2009年04月16日 | 世の中
 校医をしている中学校は750名くらいでまあ大きい方だと思う。これを一人で19年間診てきた。本当は二人でやる規模らしいが、医師会からそんな説明もなく、やれるのでやってきた。
 午後の仕事を潰して一学年づつ診てゆくのだが、一番つらいのは聴診器で耳が痛くなることだ。
 診察時の服装は看護教諭に任せている。(注文を付けると彼女はパニックになってしまう)。診察時の女子生徒の服装が毎年少しづつ違うのは妙なものだ。本当は前を広げて呉れると診察しやすいのだが、今年は体操着持ち上げ方式だ。これだと何処に何があるかわかりにくい。オリエンテイションが付かず、かえって聴診器を持つ手が乳房に触れることがある。それは構わないのか。本当はさほど医師の前で裸になることを気にしていないように思う。診察しやすく広げてくれる生徒もいる。どうするか聞くから嫌がるだけで、診察の決まりとすれば抵抗なく診察しやすい服装にすると思うのだが。だいたい私は(残念であるが)イケメンでもなく若くもない、悔しいが爺の年齢に近い。それに何よりも何十年も医者なのだ。
 どうも今の学校は教師の腰が定まらず、不見識な親のクレームや児童生徒の顔色を伺って過剰に反応しているように見受ける。
 そのせいかどうか、何事もないのが最善とばかりに犬の訓練所のように、とにかく生徒をコントロールすることに主眼が置かれているようで、二言三言の私語でもすぐ怒鳴って注意する。
 校医がこんな事を言っては校医失格なのだろうが、最近は中学校が馴染みにくくなり、昔あったあの学校の持っている懐かしさが失われてゆくと感じている。
コメント (4)
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