駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

魔法、使えますか?

2019年09月05日 | 人生

                           

 

 今朝は曇天で秋風が吹いていた。なぜか何組もの犬の散歩に遭遇した。犬種が多彩でダックスフント、ラプラドールレトリーバ、コーギー、フレンチブルドック。痩せて耳の立った見かけない犬種・・、女性も多く引っ張られて中々散歩も大変そうだった。もう一度犬が飼いたくなったが最後まで飼い切れるか自信がなく二の足を踏んでいる。

 記憶と言うのは実に不思議なもので、思い出そうとして忘れられない辺々がある。もう四十年近く前、自分が三十代で総合病院に勤めていた頃、皺くちゃのお婆さんが入院してきた。八十代だったと思うのだが、お婆さんお婆さんしておられ魔法使いのように見えたので、つい「魔法が使えるようになりましたか?」と思い浮かんだことを口に出してしまった。きょとんとされていたのだが、後から看護師に「先生、あんな失礼なこと言って」ときつくたしなめられた。多分そのせいだと思うが奇妙なことを憶えている。その時は大いに反省したのだが、今ではまあ八割がたで二割ぐらいは「まだよ」とか「できそうね」と答えてくれるお婆さんも居そうで、相手を見てなら許される感想のように思っている。

 これは自分の問題発言だが、患者さんの言葉でいくつか忘れられないものがある。機会があれば思い出したら、ここに書き留めておこうと思う。

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