今朝は秋晴れで気持ちの良い朝だった。朝は丁度良い気温なのだが、昼過ぎには結構熱くなるらしい。夏の暑さの反動か、やはり寒い方が自分の好みだなどと勝手なことを考えているが三月になれば早く暖かくならないか、やはり寒いのよりも暑い方が良いなどと考え始めるだろう。それをもう五十年繰り返している。
足腰を鍛えようと駅の階段をエスカレーターを使わず上り下りしているのだが、三週間ほど前から上る時右膝が痛むようになった。五十年前の古傷が今頃になって悪さを始めたらしい。五十年ほど前サッカーで右膝を蹴られ、三週間ほど入院したことがある。完治しこの五十年走り回ってきたのだが、今頃になってとちょいと憂鬱な気分になっている。そういえばシャーロックホームズの盟友ワトソンもアフガニスタン戦での古傷が痛むと言っていたようだが、ワトソンの場合はドイルの記憶違いで傷の部位や負傷した場所が変わり、シャーロキアンの研究対象になっている。私の場合は自分のことなので場所も相手もよく覚えている。まあ試合のことなのでC大のS君を恨んではいない。まだ健在だと思うが、彼もそろそろ引退の年頃だ。どこかの病院長にでもなっただろうか、もう会うことはないだろうが、万一会ってあの時のと言っても、蹴った方は憶えていないとしたものだ。
先日知人の写真展を見に行ったのだが、三千メートル級の頂上からの写真が何枚もあり、えーよくこんなところまで登ったと感心した。尤も彼は二十歳ほど若く元気溌溂で「天気が良く最高でした」などと笑っていた。もはや私にはかなわぬ夢なので、へーっと山の空気を想像しながら眺めさせてもらったことだ。