駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

万博VSオリンピック、東京VS大阪

2018年11月24日 | 世の中

 

 

      

 

 2025年の万博が大阪に決定した。55年ぶりとのこと、1970年の万博には行ったことがあるしよく覚えている。申し訳ないが間の愛知万博の記憶は薄い。

 万博のインパクトはオリンピックと比べてどうなんだろう。日本ではオリンピックに軍配が挙がりそうだが、それはマスコミの報道と応援効果で、経済効果にはさほど差がないかもしれない。バクーで開かれたら、異国情緒あふれ恵まれない所への経済効果があってよかったのではと思うが、そんなことを言うと日本では非国民と言われかねない。

 人間、特に日本人はと思うが、何か目標を掲げると一途に頑張り出すのは良いのだが、目眩まされて視野狭窄になり他の大切な問題が眼に入らなくなってしまう。特に政治家はオリンピックを利用して未完成品を売り抜けようとするので要注意だ。オリンピックはスポーツの祭典だったはずなのだが、一億二千万を塗りつぶす五輪色というか痺れ薬の側面がある。堺屋太一さんではないが、オリンピック後に奈落が待っているのでは心配になる。果て、大阪の万博に転落防止効果があるだろうか。

 純粋に競技と博覧を楽しみたい。空調の利いた部屋で酷暑に炎天下で全力を尽くす選手を観戦応援でき、万博会場まで出向けるのは幸運だ。尤も私の年齢だと元気で居なければならない。健康維持の目標にもなりそうだ。 

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巡り会う本

2018年11月23日 | 

           

 

 全く偶然だと思うが同時に名前だけ知っていて読むことのなかった石牟礼道子さんと名前も知らなかったが出版社の小冊子で眼に止まった末盛千枝子さんの本「食べごしらえおままごと」と「小さな幸せをひとつひとつ数える」を手にした。

 拾い読みの感想だが、おそらくもっと読んでもこの印象は変わらないだろう。父母と暮らした日々が細やかにそして色濃く背景に漂っている。それがお二人の人と仕事に深く結びついていると感じた。私にも微かに分かる平成には失われた?明治大正昭和の面影というか精神を懐かしく思い出した。

 本当に平成に失われてしまったかどうか分からないが、こうした連綿と伝えられてきた精神が消えてしまってよいものだろうかと思う。何だか個性の違う作者の印象をひとまとめに書くのは乱暴かも知れないが、共通する心を感じ取った。読む楽しみが増え、目が開かれた思いがしている。この所、梯久美子さんから立て続きに味わい深い女性の書き手に巡り会えた。

 当たり前だが名前や評判だけ知っているのと作品を読むのとでは雲泥の差がある。限られた人生の時間の中に小さくも僥倖というものがあるようだ。

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何時までも青い

2018年11月22日 | 世の中

          

 

 二か月に一度ほど友人や友人夫妻と夕食会を楽しむ。私も家内を連れてゆく。皆医療関係でそうした話も時にはするが食べ物、スポーツ、旅行の話題が多い。男共はどうも政治がらみの話も好きで、きな臭い話も出る。私は年嵩の方なのだが、その割に理想論というか青臭いと取られる意見を言ってしまうことが多い。

 それが現実なのかもしれないが、陰謀論や影での悪辣な手法が世の中を動かしているという意見が多い。ワンマン社長や独裁的な大統領では、異を唱えることは困難で、「先生、逆らえば、降格僻地転勤ですよ」と閣議や役員会議の浄化作用を一蹴されてしまった。

 国内ではごり押しできる安倍さんもプーチンには到底敵いませんよ、何と言ってもKGB出身ですからね、四島は勿論二島も返ってきません、経済協力が狙いなんですよと一刀両断だ。下手な政治外交評論家よりも、k先生は核心を突いているかもしれない。

 「ゴーンは(悪)賢いから、しっぽを捕まえられるような脱税はしてません、罰金でおしまいですよ」はH先生の見方だ。世の中悪い奴がいるなあ、医者にはそれほどの悪は居ないだろうと言ったら、そんなことはありませんよ、インチキの癌免疫療法で儲けている奴が一杯居ますよと返されてしまった。

 権謀術数陰謀渦巻く世界もあるのだろうが、其ればっかりではないと思っている。

 

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波及するゴーン

2018年11月21日 | 小考

             

 

 ゴーン氏脱税容疑逮捕、なぜ今なのだろう。納税の季節が近いからか?。たまたま今容疑が固まったとうことか?話題騒然で霞むニュースが出てくる。

 素人目に謎なのは、大企業で社長の脱税が可能だろうかということだ。確かに今までも時々大金を誤魔化す犯罪が上場企業でもないわけではなかったようだが、反省から随分機構が改善されたはずだ。複数の目が機能しないのはどういうことか。同罪とまでは行かないにしても、見過ごした罪は大きいと思う。
「人情の無い人だと思っていた」という社内の声が報道されているが、蛙の王様のようなことを言わないで欲しい。どこが一流企業だと申し上げたくなる。

 今更ながら大企業だから大丈夫なんて嘘、大統領首相だから人格者なんて嘘なのが明らかになってきた。寄らば大樹の陰はどうも違う。

 何だかどうもこの年齢になって審美眼を養うことが大切と思うようになった。安くて旨い食堂、高くても満足できる料亭、信用できる教師、信頼できる医者、まさかの時の友達、心安らぐ床屋、世界を広げ目耳脳を楽しませる作品を生み出す芸術家・・、神は細部に宿るというが、人生は細事から成ると改めて思う。

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ゴーン ゴーン

2018年11月20日 | 政治経済

              

 

 日産の代表取締役会長ゴーン氏が報酬過少申告の疑いで逮捕された。経済界に疎い私はえっまだ現役の会長だったのかと驚いた。もうとっくに、名誉院長のようなお飾りの看板会長かと思っていた。疑いと言っても内部告発だし、起訴されれば99.9%有罪の日本だからアウトになるだろう。

 外人力に頼って改革したのに外人感覚に振り回されたというような論評が出そうだが、唯スキャンダルのように騒いで終わらせないで欲しい。学ぶことが多い事件と思う。

 昔から分かっていることなのだが、権力の座に長過ぎると碌なことはない、権力は腐敗する。これには絶対が付いているくらいだから人間は何度も痛い目にあって来たわけだ。大統領や大企業の社長は四から八年、長くても十年を越えては駄目というのが大方の見方だろう。大統領は二期までという不文律は民主主義が命脈を保つアメリカの知恵と思う。権力を権力維持のために使いだしたらイエローカード、任期延長を図り始めたらレッドカードだ。惜しまれて去る、美しい引き際は優れた日本の感覚ではないだろうか。

 内部告発は盾突くことに抵抗を感じる従順な日本人には実行しにくいと思われるが、司法取引によってやりやすくなったようだ。なんでも副作用があるので注視する必要があるが、うまく機能して権力を笠に着た不正が減ることを期待している。

コメント (2)
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