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私の愛聴盤 (第61回)

2015-04-07 | 私の愛聴盤
第61回はレム・ウインチェスターの、ラムゼイ・ルイス・トリオとの共演盤です。

LEM WINCHESTER (1928年3月19日 - 1961年1月13日) ペンシルヴァニア州フィラデルフィア出身

ウインチェスターの楽器との係り合いは、高校時代のフルートとピッコロに始まり、その後バリトン~テナー・サックスを経て、コルネットも手にしたところで、1947年にヴィブラフォンに転向、49年には警察官を勤める傍らでデラウエア州にあるクラブでパート・タイムのミュージシャンとして演奏しています。
一説に因ると、ラッパはクリフォード・ブラウンがやることを全てやってしまったため断念したのだそうです。
1958年にニューポート・ジャズ・フェスティバルに出演したのをきっかけに本格的に演奏活動を開始するも、インディアナポリスのジャズ・クラブでオーナー所有のピストルを使ったロシアン・ルーレットで、不幸にも命を落としています。

今回のアルバムは、サブタイトルに「トリビュート・トゥ・クリフォード・ブラウン」とあるように、クリフォードに纏わる曲を数多く取り上げていますが、僅か3年のレコーディング活動の中で、リーダー・アルバムは6枚に留まっています。

「LEM WINCHESTER AND THE RAMSEY LEWIS TRIO」 ARGO LP 642
  
1. JOY SPRING
2. WHERE IT IS
3. SANDU
4. ONCE IN A WHILE
5. JORDU
6. IT COULD HAPPEN TO YOU
7. EASY TO LOVE
8. A MESSAGE FROM BOYSIE
LEM WINCHESTER(vib) RAMSEY LEWIS(p) ELDEE YOUNG(b) RED HOLT(ds)
録音 1958年10月8日 Chicago

これはウインチェスターの最初のリーダー作品であり、全員が無名に近い時のものです。
彼の演奏は、ヴィブラフォンの先輩格であるミルト・ジャクソンよりヴァイブレーションの効果を抑えた硬質な「音」が特徴です。
またボビー・ハッチャーソンとも異なるハーモニー感覚とブルージーなサウンドが魅力的です。
それに加えこのアルバムは、この先「ジ・イン・クラウド」でブレイクするラムゼイ・ルイス・トリオがバックを務めています。
但し、ここでのルイスのピアノは未だゴスペルとは無縁で、まるでMJQのジョン・ルイスの様ですが、それが功を奏して小美味良いスインギーな演奏が展開されています。

ウインチェスターの警察官時代に働いていた場所であるデラウェア州ウィルミントンが、クリフォード・ブラウンの生まれ故郷でもあることから、当時から彼にず~と憧れを抱いていたようです。
そして惜しいかな、共に将来を期待されながらいずれも事故でこの世を去ってしまった悲劇の2人でもありました。

このレコードは、前述のようにクリフォード所縁の曲も多く、私自身、他のヴィブラフォン奏者のものよりターンテーブルに載る回数が多いアルバムでもあります。

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