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ジョージ・ラッセル・セクステット

2015-04-13 | JAZZ
強烈な個性を展開してきたジョージ・ラッセルの2種類の「セクステット」作品を取り上げてみました。
ピアニストであると同時に作・編曲家でもあり、独自の音楽理論家でもあるラッセルの理論は「リディア・クロマティック・コンセプト」と呼ばれ、同じ作・編曲家のギル・エヴァンスと共に1950年代から60年代にかけて新しいサウンドを追及していました。

最初の1枚は、米国ミュージシャンによる5曲、
オリジナルは米国リヴァーサイド盤ですが、オランダ・フォンタナのニュージャズシリーズの1枚として再発されています。
ちょっとややこしいですが、青レーベルが蘭盤、黒レーベルが英盤であるからして、下記は英国盤です。
「THE OUTER VIEW」 FONTANA 688 705 (RIVERSIDE 440)  
  
1. AU PRIVAVE
2. ZIG-ZAG
3. THE OUTER VIEW
4. YOU ARE MY SUNSHINE
5. D.C. DIVERTIMENTO
GEORGE RUSSELL(p) DON ELLIS(tp) GARNETT BROWN(tb) PAUL PLUMMER(ts) PETE LA ROCA(ds)
SHEILA JORDAN(vo)・・・No.5 Only  録音 1962年8月27新居  

1曲目のチャーリー・パーカーの曲は、オリジナル同様に比較的速いテンポで演奏されています。
ソロのトップを走るふくよかな音のトロンボーン、ハイノートをまき散らすトランペット、続くテナーサックスは、サム・リバースと初期のウエイン・ショーターを足して2で割ったようなフレーズで、そしてシングルトーンで応えるラッセルと、しっかりした音程のベース、それにハイ・ハットの切れが素晴らしいドラムス、
最後の曲のD.C.ディベルトメントは日本の民謡の様なフレーズも飛び出してきます。

このアルバムについては、国内盤が発売された1964年に油井正一さんの批評記事がありました。
今から50年以上前のものです。 

当時の彼の採点は辛いものでしたが、改めて聴いてみると違和感は全くなく、普通のモダンジャズに聴こえます。

そして、上記のアルバムから3年後に録音された2枚のアルバム、
こちらもトロンボーンのバーデン・トレンサムを除き、他は米国のミュージシャンですが、中でもソロイストとして参加しているドン・チェリーに注目が集まります。
「6+1」の編成ですが、オーケストラのような分厚いサウンドで、録音のせいなのか前作に比較し重量感あふれる作りとなっています。
「AT BEETHOVEN HALL I & Ⅱ」 SABA SB 15059, 15060
    
1. FREEIN’N UP
2. LYDIA AND HER FRIENDS
3. LYDIA IN BAGS GROOVE
4. LYDIA’S CONFIRMATION
5. LYDIA ROUND MIDNIGHT
6. TAKIN’ LYDIA HOME
7. YOU ARE MY SUNSHINE
8. OH JAZZ, PO JAZZ (Part 1 & 2)
9. VOLPTE
GEORGE RUSSELL(p, Lead) DON CHERRY(tp) BERTIL LOEWGREN(tp) 
BRIAN RENTHAM(tb) RAY PITTS(ts) CAMERON BROWN(b) AL HEATH(ds)
録音 1965年8月31日

こちらはバップからフリーまでを程良くブレンドしていて、前作より一層充実した演奏が展開されています。
3~5曲にかけて演奏されるミュージシャンのオリジナル曲も、単なる素材として取り上げているだけで、ラッセルの音楽になっています。
そして、62年と65年の2種類のアルバムで共に演奏している 「ユー・アー・マイ・サンシャイン」、
いずれもメロデーに対比して、ベースが刻むリズミカルなバッキングが良いです。
また、最初のフォンタナ盤ではシーラ・ジョーダンのヴォーカルが、MPS盤ではジョージ・ラッセルのピアン・ソロがフューチャーされ、随所で山下洋輔ばりの激しいタッチも披露しながらそれぞれ効果を上げています。

この2種類の作品、
付け加えるならば、いずれもヨーロッパ的な「音」がする好録音盤です。

なお参考として、秋山公良氏のオフィシャル・サイトに 各種スケール についての解説が載っていました。

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