あしたのブログ!趣味や日々の報告ページ

このページを活用し趣味や日々のことなどを中心に報告しています。

私の愛聴盤(第134回)

2019-09-29 | 私の愛聴盤
第134回はベニー・ゴルソン・カルテットの「フリー」です。
「FREE」ARGO 716
  
1. SOCK CHA CHA
2. MAD ABOUT THE BOY
3. JUST BY MYSELF
4. SHADES OF STEIN
5. MY ROMANCE
6. JUST IN TIME
BENNY GOLSON(ts) TOMMY FLANAGAN(p) RON CARTER(b) ARTHUR TAYLOR(ds)
録音 1962年12月26日
どちらかと言えば好き嫌いのあるベニー・ゴルソンのサックスですが、作曲よし、アレンジャー良しの優れたミュージシャンであり、ここにもロン・カーターが参加していることもあり、数少ない彼のワン・ホーンの1枚を取り上げました。

1曲目の「SOCK CHA CHA」は、ラテン・リズムの印象的なメロディを持った曲で、途中4ビートになりますが、テーマの後のアドリブ部分では、ドラムスだけが曲に忠実にラテン・リズムと4ビートを交互に刻む中で、サックスとピアノはリズムの変化に関係なくスムースなアドリブを展開するところが聴きどころとなっていて、この1曲でアルバム全体の雰囲気を作っています。
ゴルソン自身のオリジナルは2曲が収録されていて、共に速いテンポの曲ですが、「JUST BY MYSELF」は途中ストップ・モーションを用いたり、また「SHADES OF STEIN」では、ロン・カーターのベースと渡り合うことで変化を付けており、ここでのフラナガンは、スピード感を持ったプレイで強烈な印象を与えています。
一方、このアルバムで唯一のバラードである「MY ROMANCE」は、ゴルソンの流れるようなスムースな演奏を聴くことが出来ます。
最終曲の「JUST IN TIME」では、アート・テイラーのプッシュするドラムスに鼓舞されて自由奔放なアドリブが展開され、後半でサックスとドラムスの2小節交換を経てテーマに戻っています。
また、この曲のテーマに戻る部分でのカーターの取る変則的リズムも面白い効果を上げています。
アルバム・タイトルの「フリー」から想像されるゴルソンの主張は、時にはダーティな音を織り交ぜながらも、思う存分サックスを吹き鳴らすことなのでしょうか。

ところで、このアルバムに参加しているロン・カーターですが、彼がポール・チェンバースに替わりマイルスのグループにレギュラー・メンバーとして参加したのは1963年の春であるからして、この録音はその直前のものであり、「MAD ABOUT THE BOY」においては、倍音を上手く使ったベース・ソロを披露しています。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本料理をいただきました | トップ | ジャクリーヌ・デュ・プレの... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ベニー・ゴルソン (ashita45th)
2019-09-30 21:06:44
azumino さん
こんばんは

ベニー・ゴルソンがトロンボーンとの2管で演っている、俗に言う「ゴルソン・ハーモニー」も良いですが、私はシンプルな編成のこのアルバアムが好みです。
CDも時々聴くのですが、楽器が両サイドに分離されていることから、モノラル盤のレコードが良いです。
このコメントを書く前に、改めて昨年12月21日の貴兄のブログを拝見いたしました。
素晴らしい内容のライブなのに、途中で帰らなければならなかったのは残念でしたね。
ゴルソンは今年1月で90歳になりましたが、何時までも活躍して欲しいミュージシャンの一人です。
返信する
ベニー・ゴルソン (azumino)
2019-09-30 19:19:44
こんばんは

このアルバムですが、僕も結構好きで拙ブログで取り上げたこともあります。昨年12月に甲府市のコットンクラブで、ゴルソンと山岡未樹が公演を行い、実際の音を聴くことができました。さすがに年齢なので、バリバリというわけではありませんが、サウンドは悪くありませんでした。

知的な雰囲気で、作編曲能力に秀でたこういう人がジャズ界を支えたのだという実感が湧きました。このアルバムも貴重なワンホーンで、僕も日本盤ながら手放せません。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

私の愛聴盤」カテゴリの最新記事