第193回は、ジャック・ディジョネットの日本で制作されたアルバムです。
「HAVE YOU HEARD ?」 CBS SONY SONP 50282
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/0a/f9/79d7cf0a1b8f9a50aefef6dea02e99b6_s.jpg)
1. HAVE YOU HEARD ?
2. FOR JANE
3. NEOPHILIA (LOVE OF THE NEW)
4. PAPA DADDY
BENNIE MAUPIN (ts, fl, bcl) 市川秀男 (p) GARY PEACOCK (b) JACK DE JOHNETTE (ds)
録音 1970年4月7日
このレコードが制作された当時は、米国CBSが日本コロムビアとの契約終了(1967年10月)により新たにソニーとのレコード合弁会社を立ち上げて間もない頃で、ジャズとしてはゲイリー・ピーコックと菊池雅章のセッションであるEAST WORDを始めとして多くの名盤が排出されました。
私もレコードの収集を始めた頃で、貧乏学生の少ない手持ちの資金からあれこれ迷いながら買っていた中の1枚です。
この録音時代のジャック・ディジョネットは、トニー・ウイリアムスの後を継いでマイルス・デイビスのグループに参加していた時期で、このアルバムでは、スイングからアヴァンギャルドまでのディジョネットのドラミングを堪能出来る1枚となっています。
それは1曲目の「HAVE YOU HEARD ?」の冒頭のドラム・ソロで、スネア、シンバル、バスドラを駆使し、ハードでありながら心地よいドラミングを聞かせてくれます。
続いてメンバーの3人が夫々ソロを取りますが、その中で、ゲイリー・ピーコックのベース・ランニングや、ボディを叩いての変幻自在のパフォーマンスには圧倒されます。
また演奏の後半では、意味不明のうなり声が聞こえますが、この声はベニー・モウピンでしょうか?
この演奏に参加しているピアニストの市川秀男も、大御所の3人の演奏に臆することなく素晴らしいプレイを披露しており、「FOR JANE」でのフェンダー・ローズも見事であり、ベニー・モーピンがフルートを吹いていることから、心安まる小品となっています。
テナー、フルート、バスクラで参加しているベニー・モウピンは、ディジョネットと同時期にマイルス・グループに参加していたことがありますが、ここでも真価を発揮しており、特にバスクラでの「NEOPHILIA」が印象的で、さらにピーコックの超絶技巧のベースプレイを聴くことが出来る1曲でもあります。
「 PAPA DADDY」は、テーマを持たない瞑想的な演奏で、冒頭ディジョネットのドラミングでスターとした後は、リズム・キープがないフリーとなり、4人が夫々のパフォーマンスを展開しながら進行していきますが、ピーコックはべース・ラインをキープしながら進めており、ソロにおいては圧巻のプレイで迫ってきます。
ディジョネットは、いかなる場面においてもしなやかにスイングしており、これに他の3人が様々な場面で触発されたプレイを演じることで、非常にまとまりの良い演奏集となっています。
なお、ジャック・ディジョネットとゲイリー・ピーコックは、このアルバムから10年ほど後に、キース・ジャレットと共に「スタンダーズ」を結成して数々の名演を残すことになります。
「HAVE YOU HEARD ?」 CBS SONY SONP 50282
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1. HAVE YOU HEARD ?
2. FOR JANE
3. NEOPHILIA (LOVE OF THE NEW)
4. PAPA DADDY
BENNIE MAUPIN (ts, fl, bcl) 市川秀男 (p) GARY PEACOCK (b) JACK DE JOHNETTE (ds)
録音 1970年4月7日
このレコードが制作された当時は、米国CBSが日本コロムビアとの契約終了(1967年10月)により新たにソニーとのレコード合弁会社を立ち上げて間もない頃で、ジャズとしてはゲイリー・ピーコックと菊池雅章のセッションであるEAST WORDを始めとして多くの名盤が排出されました。
私もレコードの収集を始めた頃で、貧乏学生の少ない手持ちの資金からあれこれ迷いながら買っていた中の1枚です。
この録音時代のジャック・ディジョネットは、トニー・ウイリアムスの後を継いでマイルス・デイビスのグループに参加していた時期で、このアルバムでは、スイングからアヴァンギャルドまでのディジョネットのドラミングを堪能出来る1枚となっています。
それは1曲目の「HAVE YOU HEARD ?」の冒頭のドラム・ソロで、スネア、シンバル、バスドラを駆使し、ハードでありながら心地よいドラミングを聞かせてくれます。
続いてメンバーの3人が夫々ソロを取りますが、その中で、ゲイリー・ピーコックのベース・ランニングや、ボディを叩いての変幻自在のパフォーマンスには圧倒されます。
また演奏の後半では、意味不明のうなり声が聞こえますが、この声はベニー・モウピンでしょうか?
この演奏に参加しているピアニストの市川秀男も、大御所の3人の演奏に臆することなく素晴らしいプレイを披露しており、「FOR JANE」でのフェンダー・ローズも見事であり、ベニー・モーピンがフルートを吹いていることから、心安まる小品となっています。
テナー、フルート、バスクラで参加しているベニー・モウピンは、ディジョネットと同時期にマイルス・グループに参加していたことがありますが、ここでも真価を発揮しており、特にバスクラでの「NEOPHILIA」が印象的で、さらにピーコックの超絶技巧のベースプレイを聴くことが出来る1曲でもあります。
「 PAPA DADDY」は、テーマを持たない瞑想的な演奏で、冒頭ディジョネットのドラミングでスターとした後は、リズム・キープがないフリーとなり、4人が夫々のパフォーマンスを展開しながら進行していきますが、ピーコックはべース・ラインをキープしながら進めており、ソロにおいては圧巻のプレイで迫ってきます。
ディジョネットは、いかなる場面においてもしなやかにスイングしており、これに他の3人が様々な場面で触発されたプレイを演じることで、非常にまとまりの良い演奏集となっています。
なお、ジャック・ディジョネットとゲイリー・ピーコックは、このアルバムから10年ほど後に、キース・ジャレットと共に「スタンダーズ」を結成して数々の名演を残すことになります。