第194回は、フランク・ウエス&ローランド・ハナによるニューヨーク・ジャズ・カルテットです。
「FRANK WESS - ROLAND HANNA」 AMIGA 855 718
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/1d/c3/04da2fa2db458d3adcd214ef0173b02c_s.jpg)
1.Surge
2. Placitude
3. Big Bad Henry
4. 87th Street
5. What, Dose It Matter?
6. Tee Piece
Frank Wess (fl, ts, ss) Roland Hanna (p) George Mraz (b) Richard Pratt (ds)
録音 1977年2月19日
ニューヨーク・ジャズ・カルテットは、1972年から1982年までの10年間に活動したグループで、創始者はピアニストのローランド・ハナでした。
このレコードは、西独のenjaから発売されている「SURGE」の東独盤で、1980年7月にハンガリーに出張した時に、一緒に仕事をした現地社員のお父様から頂いたもので、毎年この時期になると当時の事を思い出しながらターンテーブルに乗せています。
当時は、ベルリンの壁の崩壊前で、ドイツが西側と東側に分断されていましたが、ハンガリーの人々にはとても親切にして頂いた懐かしの1枚で、毎年この時期が来ると当時を回顧しながら1度は聴いています。
下の写真は3枚を繋ぎ併せたもので、大分古ぼけてしまいましたが、出張時にブタペスト市内を撮ったもので、今でも自宅の壁に掛けてあります。
中央を流れるドナウ川と、夜になると照明が美しいチェーン橋を挟んで、左がブダ地区、右がペスト地区です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/28/5b/fe8cecc9194d8cf0893ab6ab5c0011a1_s.jpg)
アルバムの内容は、ベテラン4人による充実した演奏集で、フランク・ウエスはサックスとフルートを使い分けており、タイトル曲の「Surge」はフルートで軽快にスタートし、ピアノ、ドラムスとソロがリレーされますが、再びウエスに戻る時はソプラノ・サックスに持ち替えており、全体を通してカチッと締まった録音が何とも心地いい1曲です。
バラードによる「Placitude」はアルトフルートで、広大な大海原を想像するような演奏が繰り広げられていて、それをローランド・ハナのピアノが一層強調しています。
ジャズ・ファンクとも言うべき「Big Bad Henry」は、独特のリズムに乗って、テナー・サックスによるブローと、中間部でソロを取るジョージ・ムラーツのフィンガリングがカッコイイです。
このアルバムでドラムを叩いているリチャード・プラットの作品である「87th Street」は、再びアルトフルートに持ち替えて、ドラムスのジャンプするリズムの上をなめらかで滑るようなソロを展開しており、この対比が何とも言えず素晴らしいです。
「What, Dose It Matter?」は、「You don’t know what love is」の断片が織り込まれたテーマのような部分も散見されますが、ウェスのテナーは、ペタペタと地を這うような独特の音色で、ベニー・ゴルソンがプレイしているような感覚の演奏となっています。
最終曲の「Tee Piece」は、フルートによるアップテンポの演奏でスタートしますが、ピアノ・ソロを挟んでテナー・サックスに持ち替えたかと思うと、最後は再びフルートで締めくくっています。
下は、西独盤の「SURGE」(enja 2094 )のジャケットで、比較的地味な演奏集にもかかわらず、内容は素晴らしいアルバムです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/58/5f/19baffe3dd5530ca1f31c1bb69fe8a5c_s.jpg)
ちなみに、この年の7月は、社会主義国で始めてオリンピックが開催された年(1980年(昭和55年)7月19日から8月3日までの16日間)ですが、7日にモスクワ経由でローマに行き、そこからハンガリーの航空機でブタペスト入りしました。
トランジットでモスクワに着いた時は、乗客全員が一端飛行機から降ろされてパスポートも取り上げられたため、この先どうなるかと思いました。
このモスクワ・オリンピックは、ソ連のアフガニスタン侵攻により多くの国が、オリンピックをボイコットしたため、日本も金メダル候補であったマラソンの瀬古や、柔道の山下が参加出来なかったことで、今でも語り継がれています。
「FRANK WESS - ROLAND HANNA」 AMIGA 855 718
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/66/04/d451e6c9049019521d2abf52a65eb51a_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/2b/fa/40fe736a1bff4c1f155d89dd1a5c219b_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/1d/c3/04da2fa2db458d3adcd214ef0173b02c_s.jpg)
1.Surge
2. Placitude
3. Big Bad Henry
4. 87th Street
5. What, Dose It Matter?
6. Tee Piece
Frank Wess (fl, ts, ss) Roland Hanna (p) George Mraz (b) Richard Pratt (ds)
録音 1977年2月19日
ニューヨーク・ジャズ・カルテットは、1972年から1982年までの10年間に活動したグループで、創始者はピアニストのローランド・ハナでした。
このレコードは、西独のenjaから発売されている「SURGE」の東独盤で、1980年7月にハンガリーに出張した時に、一緒に仕事をした現地社員のお父様から頂いたもので、毎年この時期になると当時の事を思い出しながらターンテーブルに乗せています。
当時は、ベルリンの壁の崩壊前で、ドイツが西側と東側に分断されていましたが、ハンガリーの人々にはとても親切にして頂いた懐かしの1枚で、毎年この時期が来ると当時を回顧しながら1度は聴いています。
下の写真は3枚を繋ぎ併せたもので、大分古ぼけてしまいましたが、出張時にブタペスト市内を撮ったもので、今でも自宅の壁に掛けてあります。
中央を流れるドナウ川と、夜になると照明が美しいチェーン橋を挟んで、左がブダ地区、右がペスト地区です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/28/5b/fe8cecc9194d8cf0893ab6ab5c0011a1_s.jpg)
アルバムの内容は、ベテラン4人による充実した演奏集で、フランク・ウエスはサックスとフルートを使い分けており、タイトル曲の「Surge」はフルートで軽快にスタートし、ピアノ、ドラムスとソロがリレーされますが、再びウエスに戻る時はソプラノ・サックスに持ち替えており、全体を通してカチッと締まった録音が何とも心地いい1曲です。
バラードによる「Placitude」はアルトフルートで、広大な大海原を想像するような演奏が繰り広げられていて、それをローランド・ハナのピアノが一層強調しています。
ジャズ・ファンクとも言うべき「Big Bad Henry」は、独特のリズムに乗って、テナー・サックスによるブローと、中間部でソロを取るジョージ・ムラーツのフィンガリングがカッコイイです。
このアルバムでドラムを叩いているリチャード・プラットの作品である「87th Street」は、再びアルトフルートに持ち替えて、ドラムスのジャンプするリズムの上をなめらかで滑るようなソロを展開しており、この対比が何とも言えず素晴らしいです。
「What, Dose It Matter?」は、「You don’t know what love is」の断片が織り込まれたテーマのような部分も散見されますが、ウェスのテナーは、ペタペタと地を這うような独特の音色で、ベニー・ゴルソンがプレイしているような感覚の演奏となっています。
最終曲の「Tee Piece」は、フルートによるアップテンポの演奏でスタートしますが、ピアノ・ソロを挟んでテナー・サックスに持ち替えたかと思うと、最後は再びフルートで締めくくっています。
下は、西独盤の「SURGE」(enja 2094 )のジャケットで、比較的地味な演奏集にもかかわらず、内容は素晴らしいアルバムです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/58/5f/19baffe3dd5530ca1f31c1bb69fe8a5c_s.jpg)
ちなみに、この年の7月は、社会主義国で始めてオリンピックが開催された年(1980年(昭和55年)7月19日から8月3日までの16日間)ですが、7日にモスクワ経由でローマに行き、そこからハンガリーの航空機でブタペスト入りしました。
トランジットでモスクワに着いた時は、乗客全員が一端飛行機から降ろされてパスポートも取り上げられたため、この先どうなるかと思いました。
このモスクワ・オリンピックは、ソ連のアフガニスタン侵攻により多くの国が、オリンピックをボイコットしたため、日本も金メダル候補であったマラソンの瀬古や、柔道の山下が参加出来なかったことで、今でも語り継がれています。