ところがすうと扉を押してはいって来たのはいままで五六ぺん見たことのある大きな三毛猫でした。
ゴーシュの畑からとった半分熟したトマトをさも重そうに持って来てゴーシュの前におろして云いました。
「ああくたびれた。なかなか運搬はひどいやな。」
「何だと」ゴーシュがききました。
「これおみやです。たべてください。」三毛猫が云いました。
ゴーシュはひるからのむしゃくしゃを一ぺんにどなりつけました。
「誰がきさまにトマトなど持ってこいと云った。第一おれがきさまらのもってきたものなど食うか。それからそのトマトだっておれの畑のやつだ。何だ。赤くもならないやつをむしって。いままでもトマトの茎をかじったりけちらしたりしたのはおまえだろう。行ってしまえ。ねこめ。」
(宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」)
2月22日猫の日に合わせて、「セロ弾きのゴーシュ」に登場する三毛猫を作りました。猫の目はうちの電気炉で作って、髭は銅線で後付け。
猫3匹も飼ってるくせに今まで猫モノは意外と作っていなかったのですが、今までの自分にない新たな境地が開けたような気がします。嬉しいことに色んな方に好評です。早くも猫の次回作が思い浮かんでいます
ちなみに、賢治さんの初期短編に「猫」という作品があるのですが、(私は猫は大嫌ひです。猫のからだの中を考へると吐き出しさうになります。)だとか、(どう考へても私は猫は厭ですよ。)なんて書いてあるところを見ると、どうも猫は嫌いだったようです。確かにセロ弾きのゴーシュでも、猫の扱いが酷いもんなぁ…
ゴーシュの畑からとった半分熟したトマトをさも重そうに持って来てゴーシュの前におろして云いました。
「ああくたびれた。なかなか運搬はひどいやな。」
「何だと」ゴーシュがききました。
「これおみやです。たべてください。」三毛猫が云いました。
ゴーシュはひるからのむしゃくしゃを一ぺんにどなりつけました。
「誰がきさまにトマトなど持ってこいと云った。第一おれがきさまらのもってきたものなど食うか。それからそのトマトだっておれの畑のやつだ。何だ。赤くもならないやつをむしって。いままでもトマトの茎をかじったりけちらしたりしたのはおまえだろう。行ってしまえ。ねこめ。」
(宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」)
2月22日猫の日に合わせて、「セロ弾きのゴーシュ」に登場する三毛猫を作りました。猫の目はうちの電気炉で作って、髭は銅線で後付け。
猫3匹も飼ってるくせに今まで猫モノは意外と作っていなかったのですが、今までの自分にない新たな境地が開けたような気がします。嬉しいことに色んな方に好評です。早くも猫の次回作が思い浮かんでいます
ちなみに、賢治さんの初期短編に「猫」という作品があるのですが、(私は猫は大嫌ひです。猫のからだの中を考へると吐き出しさうになります。)だとか、(どう考へても私は猫は厭ですよ。)なんて書いてあるところを見ると、どうも猫は嫌いだったようです。確かにセロ弾きのゴーシュでも、猫の扱いが酷いもんなぁ…