

「カムパネルラ、僕たち一緒に行こうねえ。」ジョバンニが斯う云いながらふりかえって見ましたらそのいままでカムパネルラの座っていた席にもうカムパネルラの形は見えずただ黒いびろうどばかりひかっていました。ジョバンニはまるで鉄砲玉のように立ちあがりました。そして誰にも聞こえないように窓の外へからだを乗り出して力いっぱいはげしく胸をうって叫びそれからもう咽喉いっぱい泣き出しました。もうそこらが一ぺんにまっくらになったように思いました。(宮沢賢治『銀河鉄道の夜』)
「銀河鉄道の夜」シリーズ10枚目「無声慟哭」、10月に完成したものです。石炭袋は光を通さない真っ黒いガラスを使っています。
しばらくミニパネルの方の制作が止まっていましたが、暇を見て再開しようと思います。イメージとしてあるのはあと10枚くらい…。