会社に勤めていた頃に比べて、今は、空を見上げたり、木々に
目を向けたりすることが増えた。
そして、子供の頃に見ていた風景とさして変わらないものに、
気がつく。
先月末に見かけたヤマモモ。たぶん、今は熟してきて食べ頃。
桑の実も赤く色づいている。
山で育ったり、海で育ったりして、自然のものに触れて
過ごしてきたので、今のこの光景に普段も、目がいく。
だが、最近見かけなくなったものもある。
このかたつむり。
偶然、神社で気がついた。
見かけなくなったね、と話していたら、ばったり出会えた。
そして、いつもと違う姿も。
一枝だけ、紅く色づいたもみじ。
空の雲は、まるで秋のような動きをしていて、
幻日を見る機会が増えた。
だから天変地異がーなどと、言うのではなく、
在るがままを感じる。
彼らには、彼らの道理があり、彼らの道理で生きている。
それは、ひとの都合や道理で生きているわけではないのだ。