アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ショウジョウソウ - トウダイグサ科1

2020-07-11 18:27:19 | みんなの花図鑑
ブドウ科とは別に 新シリーズ「トウダイグサ科」を始めます。
というのも、ナンキンハゼや アカメガシワもトウダイグサ科だからです。
でも上記はトウダイグサ科ですけれど「トウダイグサ属」ではありません。
第1回は やはり「杯状花序」の 「トウダイグサ属」から始めましょう。


ショウジョウソウの猩猩(猩々しょうじょう)というのは、顔は人のようで、人語を解し、酒を好み、赤い顔をしている中国の伝説上の動物のことです。 茎頂部に数枚ついている苞葉(葉の変化したもの)が 半分真っ赤になっているさまが、猩猩(猩々しょうじょう)を連想させるのです。
頂上に咲く花は 典型的な「杯状花序」(杯状とは カップ状ということです)の形態をしています。



杯状花序というと ニシキソウがもうひとつの典型ですが、いかんせん、ニシキソウの仲間はいずれも小さくて思いっきり近づいてみないと構造がよく分かりません。それに比べ、このショウジョウソウや ハツユキソウなどは 花序が大きいので、ずっと簡単に杯状花序が観察できます。



あおいリンゴのような果実がぶら下がっていますが、リンゴですと枝からぶら下がるのに この果実はなんだかごちゃごちゃしたものがいっぱい入っているカップのようなものから逆Uの字型の果柄をだしてぶら下がっています。




カップのようなものにアリが来ていますが、アリは何を食べに来ているのでしょうか? カップ(杯)からは 雄しべが黄色い花粉を出していますが、アリはそれには見向きもしません。




カップ(杯)は 色んな器官を生み出してきました。いまカップの横にぶら下がっている大きな果実も このカップで生産されたものなのです(あまりに大きいので 最初に生まれ、最初に カップの外に出ることになりました)。 雄しべもカップが産んだのですが、もう一つ 唇形の器官がありますがこれもカップが産んだ器官なのです。




上から見てみると、アリたちがどこに集まってるのかよく分かります。そうです、アリたちはこの唇状の器官に集まってるのです。唇状の器官は「腺体」とか「蜜腺」と呼ばれるように、蜜を出す器官です。




アリはいま、果実に乗っかって蜜腺の蜜を飲んでいますので、 花粉を運搬する役目を果たしていません。




もう少し大きなハチくらいのほうが 花粉運搬者として役に立ちそうですが (´・ω・)




よくみると アリのお尻に ほんの少し花粉が載ってます。 がんばれ~ (^^♪



2 コメント

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感謝感激! (なつみかん)
2020-07-11 21:51:15
アブリルさん、こんばんは。
新シリーズ、トウダイグサ科。
最初がショジョウソウというのがマニアックな感じがしましたが、読んで、見て納得!
写真も説明もすごく分かりやすいです^^

カップってこういうことだったんですね。
アリさんの動きがとても面白く、花粉を運んでないじゃないか~という突っ込みも面白い(笑)
お尻にちょっとだけ付いている花粉までちゃんと写し出している技術も素晴らしいです。
ぜひぜひ続けていただいて、最後は本にしてくださいませ!

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Re: なつみかんさん^^ (アブリル)
2020-07-11 22:43:58
こんばんは~
ショウジョウソウとユーフォルビアとトウゴマとナンキンハゼ3種・・・
「みんなトウダイグサ科じゃないか!」と気が付いたので、<特集>としましたが、空模様が良くなく、きれいな写真が撮れないので、そんなに続かないと思います。
(最近、カメラ技術が思わしくなく、曇天だと 気楽にISO感度を上げ ハイコントラストで ぼーっとした写真しか撮れせん (T△T))
いつも応援ありがとうございます (^^♪
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