ノウゼンカズラの花冠は5つに裂けています。
花弁が5つに裂けていれば、おしべも通常5個あるはずですが・・・
花冠の中を覗いてみると、長いのと短いのと、左右からおしべが伸びています、つまり4個のおしべが見えます(中心の薄いひらひらは めしべ)。
ノウゼンカズラのばあい、花冠が5裂するのに、雄しべは4個しか無いのでしょうか?
雌しべや雄しべは花冠の壁に引っ付いているように見えます。
おしべとめしべがこれだけ近いと、これは最初から自家受粉を狙っているような雲行きですね(笑)。
それはそうと・・・
ほんとにおしべは4個しか無いのでしょうか?
実は 5本目の雄しべは花冠の奥のほうに隠れていたのです。
上の画像は 下に落ちていた花冠と雄しべのセットです。
あれだけ花柄と一体になってるように見えた花冠ですが、ちゃんと切り取り線があったのですね。きれいに切断されています。
その切断線から針のような 第5番目のおしべ がのびています。
第5番目のおしべは退化して 今では 葯を持ちません。
そしてこちらはまだツルについている花です。だからちゃんとめしべがあります。
これはめしべであり、断じて「葯の無い雄しべ」などではありません。
植物Q&A に 『1本だけ葯のないおしべがあるのはなぜ?』
という質問がありますが、せっかくいい質問をされてるので、回答の中に「実はノウゼンカズラには葯を持たない第5番目の雄しべがあります」なんて事実を付け加えるとさらに興味を増す回答になった~なんて思いました。
というわけで、5番目の雄しべをGIF画像にしたものを見出しに掲げました。
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