
いつもの散歩道に 一本のエノキ(榎)があります(正確には ありました)。

かなり高木です(でした)。

なぜ私がこの木に目を止めたのかというと、この木にヤドリギが巣くっていたからです。ヤドリギはあるところにはたくさんあるのですが、家の近所ではこのように1つ、2つ付いているだけです。

下から見上げたヤドリギ。
そのうちに ヤドリギの取り付いているこの木(宿主)は何という木だろうと 名前を知りたくなりました。
時期は、宿主の葉が落ちた今の時期、すなわち冬です。

ネットの掲示板に、上3枚の画像を示してこの木の名前をお尋ねしたのですが、ある常連回答者の方から
「同じような画像3枚より、下に落ちている落ち葉の画像でもあれば判断の拠り所となるのではないですか?」
と言われて、なるほど! と、問題の木の下に行って落ち葉を拾ってきました。
写真左の2枚はクヌギではないかと思いました。そしてその他の葉は着いている実から判断してエノキではないかと思いました。で、クヌギは枝の先がエノキより若干太いので、この木は「エノキ」の高木ではないかと結論しました。

一年前(2022年の1月)、通りかかったらちょうどこの木を切っているではありませんか?!
高木を切るのを見るのは2回目でした(一回目は神社のコウヨウザンが手水社にかかるというので切り倒されたときです)。

切られてから一年たったエノキの切り株です。

年輪が気になります。

調べてみようと思いました。

外側から調べていきます。一番外は 2022年。
2011年の年輪に大きなクラックがあります。
2011年と言えば、東日本大震災のあった年です(3.11)。もちろん当地では大きな揺れはなく、当然地殻の変動もなかったはずなので、これは単なる偶然なのですが・・・年輪が何かを訴えているようです。

つづいて1980年まで。
1995年は 阪神淡路大震災が起きた年ですが(1月17日)この年輪には特に目立った特徴はありません。

1959年まで。
1966年にクラックが入っていますが、大きな地震はありませんでした。この年の9月25日に 台風第24・26号が宮崎県から近畿~能登半島を通過しました。
愛知県を襲った大きな台風と言えば、1959年の伊勢湾台風(9月26日)、1953年の13号台風(9月25日)です。

1946年まで。
社会史的には「戦後」です。

戦中~戦前は 色を変えてあります。
地震と言えば、この地方で最も大きな地震「三河地震」が1945年(終戦の年)の1月13日起きました。そのほぼ1か月前、1944年12月7日に発生した昭和東南海地震で緩んでいたためか家屋が倒壊する被害が多く出ました。
地殻に起きた変動が何らかの影響があったとするなら、当地ではこの終戦の年の三河地震なのですが、年輪を見ますと、間隔が狭いのは 1939年です。
年輪の最終は1926年(昭和元年)のようです。
逆算しますと、2022年に切り倒されたときは96歳だったことになります。
エノキの寿命は400年という記事もあります。
特に虫食いとか無かったので、もっと生きられただろうに、可哀想なことをしたものだと思います。
〔参 考〕
コウヨウザン(広葉杉) - 和志取神社
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