アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ボンテンカ と ヤノネボンテンカ

2024-10-11 07:00:00 | みんなの花図鑑
ボンテンカ


学名: Urena procumbens
後述のヤノネボンテンカに比べ比較的珍しいアオイ科の多年草です。















ヤノネボンテンカ

学名: Pavonia hastata
ヤノネボンテンカ(矢の根梵天花)は南米からの渡来種ですが、寒さに強く、日本では沿岸地域のほか道端などで野生化しています。





花弁裏の縞模様が艶やか? です!(^^)!



ヤノネボンテンカ(矢の根梵天花)という名前は、葉が矢じりの形をしていることと、花がボンテンカ(梵天花)に似ていることに由来しています。




アオイ科の花は 雄しべと雌しべに特徴があります。
雄しべのほうは合着して筒になっています。
雄しべ筒の外壁にキノコのように生えているのが 雄しべの葯から花粉があふれ出ています。



雄しべ筒の中をめしべが貫通しています。筒を抜けたところで・・・



花柱を5つに分け、柱頭を展開します。






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ツユクサとマルバツユクサ

2024-10-10 07:00:00 | みんなの花図鑑
ツユクサ

ツユクサという和名からは、はかなさを連想しますが、どっこい、ツユクサは強靭な野草です。



雄しべは3種類、全部で6本あります。



3種類のうち一番短い ギリシャ文字の πの字の形をした花のように黄色く目立つものが3本あります。この3本は虫たちの目を引くためについているようで、花粉を出しません。

その手前に 槍のような形をした葯を付けたものが1本。
こちらは虫たちの餌となる花粉を出します。







3種類のうちいちばん長い2本が種子を作るための花粉を出します。
アワビのような葯をもってます。







マルバツユクサ



マルバツユクサは熱帯アジア・アフリカ原産の外来種。
「海岸に多いと解説されるのが普通だが、内陸の幸田町内などでも群生している。三河の海岸に近い地域では普通に見られる。」(三河の植物観察「マルバツユクサ」)






マルバツユクサの花は、ツユクサの花より小さく花弁の色が薄いのですぐ見分けられます。
花のつくりはツユクサと同じ。




「マルバツユクサは通常の結実のほか、地下に閉鎖花をつけ、自家受精して種子を作る特殊な形態を示すことで知られている。地下でできた果実も大型と小型の種子をもつ。」(同上)

ツユクサも抜いても抜いてもゾンビのように蘇ってくることで知られているけれど、
マルバツユクサは地下の閉鎖花でも種を作るから、マルバツユクサのほうがより旺盛で繁殖力が強いと言われてます。






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ウリクサの隣でざわざわしていたフタバムグラ

2024-10-09 07:00:00 | みんなの花図鑑

小さいけれど花弁の先がほんのり紅く可愛い花が、昨日アップしたウリクサの隣でざわざわしていたものだから、アゼナ科の新種かと思っちゃいましたよ (^^ゞ




Google Lensで検索したところ、フタバムグラとか ナガエノフタバムグラ の画像ばかり出て来るから、たぶんそのどちらかだと思います。




Hedyotis diffusa
「フタバムグラは本州から琉球、東アジアの熱帯から亜熱帯に広く分布する、小型の1年生草本。畑や道ばたなどでよく見かけるが、水位の低下したため池の池岸にも生育する。」(植物雑学事典「フタバムグラ」)
和名の由来は、ヤエムグラに似て葉が2枚ずつ対生することによる。

















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ウリクサの wishbone って?

2024-10-08 07:00:00 | みんなの花図鑑

アゼナ科のウリクサは典型的な水田雑草で、「畑地や田のあぜ、庭の隅など、土がある程度露出されているものの極端に乾燥しすぎない場所に生える、小さな1年草です」(野田市「ウリクサ(瓜草)(アゼナ科ハナウリクサ属)」)




このウリクサ、近くで観察するととても面白い特長があります。
左右から伸びた雄しべが接合してアーチを作っているのです。







こういう雄しべがアーチを作っている花、園芸植物で見たことがありますよね?!

そうです、トレニアの花です ↓

トレニアでは5本ある雄しべの1本が退化してなくなり、上側の2本の雄しべはアーチ形につながり、下側に2本の雄しべは短く雌しべの基部にあります。




ウリクサの雄しべも同じ構成です。
トレニアとウリクサというと、あまり関係ないみたいですが、
 トレニア Torenia fournieri
 ウリクサ Torenia crustacea
で、実は同じ Torenia 属の植物だったのです。(トレニア属と言えばわかりやすいものを、ウリクサのときは Torenia = ハナウリクサ属と和名にするものだから、同属と気づきにくかったのです)



ウリクサ







トレニア(ハナウリクサ)の英名 Wishbone flower について

トレニアは 英語で Wishbone flower といいます。
なぜ Wishbone flowerと呼ばれるのかについてですが、
よく日本語サイトの説明では
 「wishbone flowerは、先が二つに割れためしべの形が鶏のウィッシュボーン(胸骨)に似ていることに由来しています。」 ??
との説明がありますが・・・これは明らかな 誤解です。




左右から雄しべの葯がくっついて花糸がアーチを作った姿が

ウィッシュボーン(暢思骨)(wiki 「叉骨」より)
に似ているからです (´∀`)

wishbone とはそもそも Wish Bone。つまり直訳すれば「願い骨」。

 実はこれ、鶏の胸骨に由来する。鳥の丸焼きを食べた後、λ型をした胸骨を外し、ふたりで両端を持って引っ張り合う。胸骨の頂点は丈夫だから、真ん中では割れず、どちらかの破片に頂点が付いてくる。その頂点を取った者の願いが叶う、という言い伝えから、鳥の胸骨を「ウィッシュボーン」と呼ぶようになったらしい。(Motor-fan Tech. 「ダブルウィッシュボーンの「ウィッシュボーン」とは何か——安藤眞の『テクノロジーのすべて』第56弾」)




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イボクサ または 夜這いツユクサ

2024-10-07 07:00:00 | みんなの花図鑑

「イボクサ(疣草、Murdannia keisak)は、ツユクサ科イボクサ属の一年生植物。東アジアの湿地に生える雑草で、水田では畦によく出現する。」(wiki)



典型的な「水田雑草」のひとつで、水田とその周りにたくさん生えています。水深の変化に柔軟に適応でき、完全に水没しても大丈夫です。またある程度の乾燥にも耐性があり、土が乾くと葉を折りたたむようにして耐え忍びます。
(野田市「イボクサ(疣草)(ツユクサ科 イボクサ属)」)



「ツユクサを小型で細くしたような植物で、茎は横に這い、枝分かれする。節ごとに葉がつき、根もしばしば出る。葉は基部が葉鞘になり、先端の葉は線状楕円形。」(wiki)




8月から10月頃に、葉のわきから直径1.2センチメートルくらいの薄紫色の花を咲かせます。
「花は葉腋や茎頂に1-数個つく。淡紫色~淡紅色の3枚の花弁が目だち、数時間でしぼむ。」(wiki)




「ツユクサ科の中では、完全雄しべが2-3本、3裂あるいは矢じり型の葯をもつ仮雄しべが3本あることが特徴で、特に3本の仮雄しべが花弁に対してつくのはイボクサ属及びごく近年の(近縁の?)アンテリコプシス属のみである。」(wiki)




よく見ると花は小さいが同種のツユクサに比べて、白色に紅を差したような色合で、どことなく妖艶な感じがする。(石黒の昔の暮らし「イボクサ」)

石黒では「ヨバイグサ」と呼んだ。ヨバイは「夜這い」の意味で、繁殖力旺盛で他家所有の水田まで境の畔を乗り越えて侵入することからつけられた名前であろう。(同上)




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脆い! ミズオオバコ

2024-10-06 07:00:00 | みんなの花図鑑

「ミズオオバコ(Ottelia alismoides、シノニム:Ottelia japonica)は、トチカガミ科ミズオオバコ属の水草。湖沼やため池、水田などに自生する。」(wiki 「ミズオオバコ」)
花以外は水面下にあります。
水中から取り上げようとすると、花弁は薄く脆く水に浸かると溶けてしまします。



「オオバコに似た葉をもつ一年生の沈水植物。」(京都府レッドデータブック「ミズオオバコ(オオミズオオバコ)」)



花弁は3枚。
花の下にあるのは子房(果実)。
「かつては府内でも普通の水田雑草であったと推察されるが、農薬の多用と圃場整備によって水田からはほぼ消滅した。山間部の湿田などにかろうじて残存する。」(同上)





雄しべ雌しべともに黄色。雄しべは3個、短く、雌しべは6個、長く、柱頭は2分岐。




花弁の下にある子房(果実)部分です。
苞鞘(ほうしょう:包葉の葉鞘が固く変化したもの)に波状の縮れた翼があるのが特徴です。







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翔べ! ミゾカクシ

2024-10-05 07:00:00 | みんなの花図鑑

「ミゾカクシ (溝隠、Lobelia chinensis)はキキョウ科ミゾカクシ属の雑草。和名は、溝を隠すほど茂ることから付けられた。また、田の畦に筵を敷いたように生える様子からアゼムシロ(畦筵)ともいう。」(wiki 「ミゾカクシ」)



花弁が特徴的です。基本合弁花なのですが、先端が深く割れた唇形花なのです。




シベがまた特徴的です。鳥の嘴みたいな恰好をしているのです。





「雄しべは葯が合着して花柱を取り囲み、ヘビが鎌首をもたげたように見える。雄しべが花粉をだしてから、雌しべの柱頭が顔をだす。(野に咲く花)」(松江の花図鑑「ミゾカクシ(アゼムシロ)」)




そして・・・




花粉が全て出ると柱頭が伸びてきます。




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10月はじめの木の実クイズ (2)

2024-10-04 07:00:00 | みんなの花図鑑
安城デンパークの木の実の画像がいっぱい溜まっちゃったので、2回に分けてクイズにしています。
きょうも全部で10問あります。
先にヒント言っちゃうと、
ミツバウツギ科 が 2つ、
バラ科が1つ、
ニシキギ科が 2つ、
木の名前と同じ科名の問題が 2つ、
あと モクセイ科と ツツジ科が 1つづつ、
最後に ミソハギ科が1つ
です。
写真は2~3枚あります。答えの前に
 ★
をひとつ置きます。
では 面白い名前のミツバウツギ科 から どうぞ (^_-)-☆


Q.1

この木の名前は 同じ名前の魚に由来します。




   ★

ミツバウツギ科の ゴンズイです





Q.2

上のゴンズイととてもよく似ています







   ★

ミツバウツギ科の エウスカフィス・シネンシス

です
シネンシス は(支那の)の意






Q.3

バラ科です

ちょっと分かりにくいので、

北海道で見た同じ樹を ↓

2019-2月



   ★


バラ科の アズキナシ でした





Q.4
これよりニシキギ科








  ★

マユミ
マユミの果実は4つに割れます
よく似たツリバナは5つに割れます





Q.5

基本、上と同じなんですが、園芸品種で


果実の色が違います


  ★



白実マユミ




Q.6
ここから 科名と木の名が同じ木が2つつづきます

平賀源内に関係あり

ポルトガルに関係あり



  ★

ホルトノキ科ホルトノキ属 ホルトノキ
和名の由来は、元来はオリーブの木を意味する「ポルトガルの木」が転訛したもので、江戸時代の学者平賀源内が本種をオリーブと誤認して、ホルトノキとよばれるようになった(wikiより)





Q.7

科名と木の名が同じ木2つめ





答えですよ~

  ★


クスノキ科のクスノキ




Q.8








  ★

モクセイ科のヒトツバタゴ(ナンジャモンジャの木)です





Q.9

まだ青いのでさっぱり分かりませんですが (´・ω・)

この実 青黒く熟すとブルーベリーみたいでとても美味しいです



  ★


シャシャンボでした
私は子供のころ父と山へ松ぽっくりを拾いに行って、この木の実を「シャセンボの実」と教えられました。子どものころは シャセンボとヒサカキの区別がつかなかったのです





Q.10

実だけではとても難しいので、

一緒に付いていた花を示します ↓




  ★

というわけで ミソハギ科の サルスベリ でした



〔おまけ〕






  ★






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10月はじめの木の実クイズ (1)

2024-10-03 07:00:00 | みんなの花図鑑
ちょっと早いけど、安城デンパークの木の実の画像がいっぱい溜まっちゃったので、2回に分けてクイズにします。
全部で10問づつあります。
先にヒント言っちゃうと、
ガマズミ属が3つ、
モクレン科が2つ、
エゴノキ科が2つ、
ウルシ科が2つ、
モチノキ科が1つ
です。
写真は2~3枚あります。答えの前に
 ★
をひとつ置きます。
では 簡単なガマズミ属から どうぞ (^_-)-☆


Q.1






   ★

ガマズミ属(Viburnum)の ガマズミです





Q.2







   ★

ガマズミ属(Viburnum)の キミノガマズミです







Q.3






   ★

答えは樹名板で ↓






Q.4
これよりモクレン科





  ★

答えは樹名板で

ハクモクレン





Q.5



上とよく似ていますが、


捻ってます!(^^)!


  ★



シデコブシ





Q.6
写真は一枚だけ


すぐ答えですよ~

  ★

エゴノキ科エゴノキ属 エゴノキ






Q.7

上と同じくエゴノキ科





答えですよ~

  ★

エゴノキ科エゴノキ属 ハクウンボク
(ガマズミ科のハクサンボクは間違いです)




Q.8

果実の写真を撮るために 近くに寄りたいのですが・・・


かぶれることがあるので、

あまり寄れません。

  ★

ウルシ科の ハゼノキ です





Q.9

紅葉するととてもキレイなのですが・・・

上と同じく一応ウルシ科ですが、かぶれることは(ほとんど)ありません。

実は熟すとノブドウのようにいろんな色になります






  ★

ウルシ科のハゼノキカイノキ でした m(_ _)m

12月のカイノキの実
そういえば、マンゴーもカシューナッツもウルシ科の果物。マンゴーなど生食するときは樹液にご注意を(´v_v`)





Q.10

モチノキ科なので熟すと赤い実になりますが・・・

今はまだ青く 縮こまった実です


ちょっと難しいので、参考までに 12月の実です!(^^)!




  ★

モチノキ科の タラヨウ でした



〔おまけ〕







  ★

アオイ科アオギリ属の アオギリ でした




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ジュウガツザクラ(十月桜)

2024-10-02 07:00:00 | みんなの花図鑑


確かに十月になって咲きだしたので名前の通りと思ったら、十月は旧暦の十月で今の11月頃のことだとか(´・ω・)



十月桜は、半八重咲き中輪の桜です。




同じくマメザクラ(豆桜)とエドヒガン(江戸彼岸)の種間雑種であるコヒガン(小彼岸)とは、形態の特徴はほとんど差異がありません。




十月桜が秋から冬にも開花するのに対し、コヒガンは春にソメイヨシノに一週間ほどさきがけて開花するという点が異なります。
コヒガンのうち、秋咲き性のものを、十月桜と分類する場合もあります。








十月桜の特徴は、花びらは10~20枚程度の八重咲きで、独特のよじれがあるという点です。
八重咲きの秋咲きの桜としては、他に子福桜などもありますが、花びらに独特の”よじれ”がある秋咲きの桜はありあせん。




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