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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

燃えよ!セイタカアワダチソウ

2024-10-24 07:00:00 | みんなの花図鑑

セイタカアワダチソウはソバと共通したところがあります。
セイタカアワダチソウは、蜜が多く蜜源植物として有名です。
ソバもたくさんの蜜を出します。
ただ、ソバの蜂蜜は黒糖のようなコクのある匂いだそうで、癖があるため流通量は少ないようです。
もちろんセイタカアワダチソウの蜂蜜というのも聞いたことがありません。




セイタカアワダチソウとソバが共通しているもうひとつの点は、ともに アレロパシーと呼ばれる他の植物の成長を阻害する化学物質を根や地下茎から分泌することです。
そのため、戦後一時期は河川堤防など秋になると一面セイタカアワダチソウばかりという時期がありました。
ところが、最近は一時期の隆盛は衰えてきています。




大繁殖しなくなった理由として色々な原因が考えられますが、ソバを見ていると気が付くことがあります。

私たちは町内の有志で休耕地を借りてそばを栽培していますが、収穫量が一番良いのは一年目です。
同じ畑でそばを育てると年ごとに収穫量が減っていくようなのです。
なぜだろうと考え、検索してみると、ソバは自らが分泌するアレロパシー物質の自家中毒に陥り、連作すると成長がだんだん妨げられるようになるという現象があることが分かりました。

セイタカアワダチソウについても、同様の説が検索すると出て来ます。




さて、セイタカアワダチソウはキク科の植物です。
キク科の花は頭状花序と言って、多数の花(小花)が集まって1つの花のように見える構造をしています。
小花には2種類あり、
 ● 頭花の周囲に細長い花弁を見せているのが舌状花(ぜつじょうか)
 ● 中心部で反り返ったごく小さな花弁があるのが筒状花(とうじょうか)
10数個の舌状花と数個の筒状花でひとつの頭花をつくっています。




小花の花冠の中から上に伸びているのは シベ です。
キク科のシベは変わっています。複数のおしべが合着して出来た筒の中からさらにめしべが伸びているのです。





筒の中をめしべが伸びるとき雄しべ筒の中に出た花粉を筒の外に押し出しながら伸びていきます。





花粉を押し上げるとき雌しべは自家受粉してしまわないか心配する必要はありません。めしべはこの段階では未成熟で受精能力がないからです。
花粉を押し上げてしばらくたつと雌しべは先を2つに開いて内側に柱頭を展開し受粉体制に入ります。





ハンディーマイクロスコープで撮ってみた小花です。




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