役所の放送が3方向から聞こえてくる。
330m毎秒だからちょっと回り道をすればすぐずれる。
3方向の音は3回聞こえる。
こだまでしょうか、はいそうです。よく聞こえますか、いいえ聞こえません。
話す人が、マイクにかじりつき懸命に声を出すほど、なお聞こえにくくなる。
公共放送は、声を出すことではなく、聞き取って理解することが目的なのだが、目的に沿った聴取テストも多分してないのだろう。スピーカーの設置個所を巡回して、よしよし、よく聞こえるぐらいのことしかしていないと思う。
音響解析というのはなかなか難しいものである。
動くものを作ったとき、それがどんな音を出すか。どの位置にはどう聞こえるか。作ったものの表面、音が伝わっていく空間を、網の目のように区分けして解析していかなければならない。
物体からどのような音が発生するかをシミュレーションするツールがある。
テクノスター「有限要素法による音響解析用のメッシュ作成ツール」
⇒ http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110905/197988/
解析したい領域を、小さな要素に分割し、それぞれの要素ごとと、各領域の関連づけを、できるだけ単純な方程式で表すようにすると、複雑な形状の解析時間がぐっと短くなるというのが有限要素法らしいのだが、「有限」という文字に惑わされて、この名前からは手法の概要をなかなか想像できない。
これならむしろ発明者の名前にしておいた方がよかったのではないかとも思うが、すでに定着した方式の名前の付け方に、文句をつけるほどばかげたことはないからやめにしておく。