講習会などで、受講者のパソコン操作がうまくいかない理由には、見られているという気持ちが邪魔していることがあるだろう。
車の運転でも、教習所で、教官が同乗して経路を覚えさせられて運転したら、ぎこちなくなるに違いない。
見ているほうは何だこんなことと思っても、見られているほうは巧くやって見せようなどと余計な潜在意識も手伝って、簡単な手順さえ思い出せなくなる。
先刻書いたメモを見ても、その瞬間に頭に浮かんだ文字だけがところかまわず走り書きにされていては、パニ状の頭では読み取れない。
見るほうが立場のハンディキャップの忖度なしに、つい手を出してしまうと、見られていたほうはいっそう混乱する。
見る側は時計を止めて待っていなければならないのだ。