デスクトップで [Ctrl]+[R] を押すと「ファイル名を指定して実行」が始まってしまいますが、Excel では [Ctrl]+[R] が別目的のショートカットになっています。
Excel でシート内のあるセルをアクティブにしておいて [Ctrl]+[R] を実行すると、左隣のセルの値がコピーされます。
また、あるセルから右側に連続指定された範囲には、 [Ctrl]+[R] で範囲左端のセルの値が指定範囲内全部のセルに等しくコピーされます。
同じような方法で [Ctrl]+[D] ならば、下のセルにコピーできます。
コピー貼り付けやフィルハンドルよりはるかに操作しやすいので、これは便利です。
この方法も、講習会でHさんから伝授されたのですが、ある方から「なぜ R なんでしょう」と質問が出ました。
咄嗟に「ルールでしょう」と答えてしまって、「 D は?」と追いかけられたときには、助け舟を求めて「ダウンです」と答えたものの、ルールとダウンでは話が合いません。
あとで確かめたら、横方向の「行」は“Row”で、縦方向の「列」は“Column”でした。
しかし、ローでもダウンとは合いません。
そうかライトだったかと気づいて、その次の機会に質問者にはお詫びと訂正をしておきましたが、R は右と言ってしまうのも、どこか変だという気がしながらそのままになっていました。
あとから考えると、左側のセルからデータを取ってくるのに [Ctrl]+[R] で右とは変だと思ったのが間違いでした。
ここでは、データの動きの方向が右あるいは下と考えればよかったのです。
ものごとを始めと終わりしか見ず、しかも始めことにこだわりすぎると、何かを見誤ることがあります。
動きを捉えれば、目に見えないところもわかってくるのかも知れません。
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動きが生命をつくる―生命と意識への構成論的アプローチ |
池上 高志 | |
青土社 |