体の不自由な方にパソコンを使って何かを楽しんでもらうのは、パソコンの利用法を拡げるよい方法だと思います。
普通の使い方ができない重症の方には、体のごく一部を一方向に動かすだけでパソコンに信号を送る方法もあります。
Tさんが考え出したひとつの方法は、デスクトップのアイコンを一つずつ、ある一定の時間間隔で指しながらポインターが垂直に移動して行き、はじめの入力信号で水平移動に変わり、次の入力信号で希望のアイコンを確定しアプリケーションを起動させるというものです。
パソコンは、いろいろなことができるからといって、何か一つのことだけをさせてはいけないものでもありません。
用法が絞られれば、テンキーのみでもよいではないかとも思います。
あるところには、パソコンで音楽を聴きながら編み物をしている方がおられます。
ほかのことには使われていません。
そういう方むけには、パソコンのスイッチを入れたら、デスクトップで次の入力を待つのでなく、「曲を選んでください」とメッセージがすぐに出て、テンキーのみで選曲すればすぐ音楽が聴けるような装置にしておいたほうがよいでしょう。
100個を超えるキーがずらっと並んだ、めまぐるしいキーボードがなくなれば、自分だけでもっと親しみやすく使えると思うのですがいかがでしょうか。
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麻倉怜士 ほか | |
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