外苑茶房

神宮外苑エリアの空気を共有し、早稲田スポーツを勝手に応援するブログです。

東山動物園

2011-01-07 22:08:47 | 社会全般
昨年12月、名古屋市千種区にある東山動物園で、国内最長老のゴリラが53歳で大往生したというニュースが流れました。

そのゴリラはカメルーンで生まれ、1959年9月に東山動物園にやってきて、それ以来、ずっと同園で育ちました。
同園の動物やスタッフの中でも最古参だったということですから、園長さんも一目置く存在であったことでしょう。

環境変化に神経質なゴリラが多い中、のんびり屋の性格だったといいます。
同園は「ストレスを感じにくいおおらかな性格が長寿につながるのは、ヒトもゴリラも一緒なのでしょう」と、同園のスタッフは話しているそうです。

私も、ゴリラから教訓を得て、早稲田の勝敗に一喜一憂せずに大らかにすることができたならば、長生きできるのかも知れません。
(*^_^*)
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このニュースに私が反応したのは、私が幼稚園から小学生の頃に、このゴリラくんに間違いなく会っているからです。

私の父の実家が、千種区の本山、母の実家も千種区の池下にありました。
お正月や夏休みには、必ず両親と共に帰省していましたので、同じ千種区内にある東山動物園は、家族や親戚と一緒に遊びに連れていってもらう定番スポットでした。

ゴリラ、象、キリン、ライオンといった動物たちは、動物園の主役です。

ゴリラくんと名刺交換したわけではないので何の証拠もありませんけれど、年末に大往生を遂げたゴリラくんの若き日の姿に、チビッ子だった私は、フェンスに噛りついて見入っていたことは間違いありません。
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動物たちを眺めていることで、私たち人間は、幼少期から老人となるまで、どれほど心を癒されているのか分かりません。

彼らの優しい眼差し、ゆったりとした動き、そして愛くるしい仕草を見ていると、体内時計の時を刻むスピードがどんどん緩やかになっていくのを感じ、そして動物たちと心が通い合っている気持ちになってきます。
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東山動物園には、私が母から教えてもらった逸話があります。

第二次大戦の後期、軍の命令で全国各地の動物園で動物たちが薬殺されてしまいました。
特にゾウについては、日本国内で終戦まで生き残ったのは、東山動物園にいる二頭だけ。

終戦後、地元の動物園が開店休業となってしまい、全国の子供たちに「名古屋のゾウさんに会いたい」という希望が盛り上がりました。

そして、1946年6月、遂に、全国の「ゾウさんが見たい」という子供たちを乗せて、各地から名古屋に向かう特別列車「ゾウ列車」が運行されることになりました。

最初は、彦根から。
次いで、東京、三重、埼玉、千葉などから、何万人もの子供たちが、東山動物園のゾウさんたちに会いに行ったのです。

戦争で身近な人が亡くなったり、疎開先で辛い経験をした子供たちの傷ついた心を、東山動物園の動物たちが、どれほど癒してくれたことでしょうか。
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東山動物園のゴリラが天寿を全うしたという小さな新聞記事は、様々な記憶を思い出させてくれました。
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