クラウドファンディング(crowdfunding)は、クリエイターや起業家が、主にインターネットを利用して資金調達をする手法として注目されています。
この仕組みを上手く活用することで、製品やサービスの開発に必要な資金を、寄付、投資、あるいは購入という形態で集めることができます。
この仕組みを活用して、メジャーリーグに挑戦するための軍資金を調達しようという慶応ボーイが現れました。
クラウドファンディングのページ
すでに当初の目標額に達しているようですから、ぜひメジャーという夢に挑戦し、実現してもらいたいと思います。
========
このクラウドファンディングに似た形態で資金を集める仕組みは、わが国でも古くから存在しました。
関東地方では「無尽」(むじん)、関西では「頼母子講」(たのもしこう)、沖縄では「模合」(もあい)と呼ばれており、記録に残る範囲では鎌倉時代から存在していたそうです。
明治時代初期には、全国で数十万件に及ぶ無尽講が存在していたという話も聞きます。
無尽は、いわば仲間内の倫理観に依存して債権債務関係をコントロールしようとする仕組み。
明治時代に入って民商法が制定されると、法の強制力に基づく近代的な契約関係へと収斂していきます。
そして、日清・日露の戦争で巨額の戦費を調達する必要に迫られた中央政府が、地域から資金を吸い上げていく過程で、点在する無尽講は衰退していきました。
それでも、例えば「相互銀行」(現在は普通銀行に業態変更して、第二地方銀行と呼ばれる)に姿を変えながら、永らく地域金融を支えてきたのでした。
======
インターネットという文明の利器を活用して21世紀に登場したクラウドファンディング。
とても便利である反面、金融技術として捉えた場合、危うい部分もないわけではありません。
まず、マネーロンダリング(資金洗浄)に悪用されるリスク。
寄付・投資・購入という形で資金の出入りが行われる中に薬物売買などの犯罪収益あるいはテロ資金が紛れ込み、怪しい資金が真っ当な外観の資金へと洗浄されてしまう恐れがあるのです。
このリスクを回避するために、金融機関は資金の源泉と本人確認のために大変な労力を投入しています。
同じ水準をクラウドファンディングに求めることは現実的でないだけに、悪企みする勢力に目をつけられる恐れが高いと言わざるを得ません。
また、金融商品の一つとして捉えると、資金の出し手の保護、いわゆる消費者保護という観点でも、危うさがあります。
投資等を募る際に説明された目的に、きちんと資金が使われているか、そして約定どおり償還されるのか。
一歩間違えれば、例えば和牛商法のような経済事件に巻き込まれます。
このような種々のリスクを抑制して投資をしようとするならば、顔が見えて信頼できる相手を慎重に選ぶこと、そして貸倒リスクを飲み込めるように投資金額を抑えることなどの工夫をすることですね。
この仕組みを上手く活用することで、製品やサービスの開発に必要な資金を、寄付、投資、あるいは購入という形態で集めることができます。
この仕組みを活用して、メジャーリーグに挑戦するための軍資金を調達しようという慶応ボーイが現れました。
クラウドファンディングのページ
すでに当初の目標額に達しているようですから、ぜひメジャーという夢に挑戦し、実現してもらいたいと思います。
========
このクラウドファンディングに似た形態で資金を集める仕組みは、わが国でも古くから存在しました。
関東地方では「無尽」(むじん)、関西では「頼母子講」(たのもしこう)、沖縄では「模合」(もあい)と呼ばれており、記録に残る範囲では鎌倉時代から存在していたそうです。
明治時代初期には、全国で数十万件に及ぶ無尽講が存在していたという話も聞きます。
無尽は、いわば仲間内の倫理観に依存して債権債務関係をコントロールしようとする仕組み。
明治時代に入って民商法が制定されると、法の強制力に基づく近代的な契約関係へと収斂していきます。
そして、日清・日露の戦争で巨額の戦費を調達する必要に迫られた中央政府が、地域から資金を吸い上げていく過程で、点在する無尽講は衰退していきました。
それでも、例えば「相互銀行」(現在は普通銀行に業態変更して、第二地方銀行と呼ばれる)に姿を変えながら、永らく地域金融を支えてきたのでした。
======
インターネットという文明の利器を活用して21世紀に登場したクラウドファンディング。
とても便利である反面、金融技術として捉えた場合、危うい部分もないわけではありません。
まず、マネーロンダリング(資金洗浄)に悪用されるリスク。
寄付・投資・購入という形で資金の出入りが行われる中に薬物売買などの犯罪収益あるいはテロ資金が紛れ込み、怪しい資金が真っ当な外観の資金へと洗浄されてしまう恐れがあるのです。
このリスクを回避するために、金融機関は資金の源泉と本人確認のために大変な労力を投入しています。
同じ水準をクラウドファンディングに求めることは現実的でないだけに、悪企みする勢力に目をつけられる恐れが高いと言わざるを得ません。
また、金融商品の一つとして捉えると、資金の出し手の保護、いわゆる消費者保護という観点でも、危うさがあります。
投資等を募る際に説明された目的に、きちんと資金が使われているか、そして約定どおり償還されるのか。
一歩間違えれば、例えば和牛商法のような経済事件に巻き込まれます。
このような種々のリスクを抑制して投資をしようとするならば、顔が見えて信頼できる相手を慎重に選ぶこと、そして貸倒リスクを飲み込めるように投資金額を抑えることなどの工夫をすることですね。