バカ犬

ちょっとバカ犬になって、本音を言ってみたいと思いませんか?

必修科目未履修、本音と建前

2006-10-29 | Weblog
全国の高等学校で、世界史を中心とする、必修科目の未履修が問題になっている。
指導要領と現場のギャップだとか、地方の特殊性だとかが言われているが、問題の根っこは明らかだ。

本音と建前のダブル・スタンダードの存在が見えたということだ。

本音 大学受験が高校の全て。 子供にとっても、親にとっても高校にとっても。
建前 高校はたんなる大学への通過点ではない。広い教養を身につけてもらう場。

本音に従って行動してきたことがばれた。そして本音が多数であるから、建前の旗色が悪い。
しかし高校で、常識の教養が身につかなければ、高校は単なる塾に過ぎない。
しかも、教育という重要な世界で、「ズルをやっても、バレなきゃ良い」と教え込んでいるのは絶対に許せない。本当に、こうした状況が日本国中で蔓延しているとしたら、それは非常に悲しいことだ。

本当の問題は、大学を含めた、日本の教育システム全体の見直しが必要だということだ。

大学入試が高校をゆがめ、教養科目を無視する方向に向かわせているようだが、それでは大学ではどうかというと、一般教養科目がドンドン減っていってしまっている。

大学では、一年生は、入試疲れで勉強しない、できない。
二年生になってやっと勉強を始めたと思ったら、専門と教養の谷間でバランスの崩れた勉強になる。
大学にはいって、高校の一般的教養科目を復習しないと授業についてこれない学生がたくさんいると知り合いの教授は言った。常識が通用しないのだ。

しかも、三年生になったら、もう就職活動の開始だ。勉強する時間はわずか1~2年の大学生活となる。こんなので、大学を出たといえるのだろうか。バランスを欠いた変な日本人がたくさん出来上がる。

少子化の傾向を見るなら、希望者は全員希望する大学に入れればいい。しかし、各年しっかり勉強しないと進級できない、結果としては卒業できないという仕組みを作ってはどうだ。世界の大多数は、公立ではこれが常識だ。アメリカの大学では本当に勉強しないと卒業できない。大卒は大卒として、社会が一応認めるレベルまで育って出てくるのが普通だ。

当然企業サイドも、就職活動は一年遅らせて、四年生になってからにすることを考えないと、日本の未来は暗い。日本の大卒者の「世界における国際競争力」は本当に地に落ちている。
就職面接で明確に出る。

現実の日本の民度が見え隠れするできごとだと、さびしく思ってしまう昨今だ。