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先日、NHKの番組を見ていて、ああこれが「論点のすり替え」、および「矮小化」の典型だと思った番組があった。
ことは、福島原発事故の初期対応のUSAと日本の対比の番組。
アメリカでは、NRCの昨年3月12日以降の3000ページに及ぶヤッコ委員長を含めて、関係者との議事録の公表が行われた。
方や日本では、内閣の議事録も取られていないという事実との対比だ。
真実を伝えるためには、
「原発事故の事実に基づいてどう行動したか」を伝えるのが本来のメディアの姿だろう。
僕に見えてきたのは、次のような対比だ。
USAのNRC
1. 事実を把握する
2. 目的は自国民をこの事故から守る
3. そのために情報収集をする
4. 日本の経産省原子力保安院から、逐次データを得る
5. 東電からもデータを得る
6. 米軍を含めて、自国の情報網でデータを集める
7. 専門家が、こうしたデータに基づいて、事故の状況を推測する
8. メルトダウンの可能性を認識する
9. 福島第一原発から、50マイル(80キロ)以内から自国民を排除命令
日本の対応
1. 事実は東電に把握させる
2. 目的は不明確 漫然と事故に対応して、国民を安心させようと行動
3. 東電からのデータに頼る
4. 経産省、保安院がアメリカNCRに流していたデータを知らないでいる
5. 文科省のSPEEDIのデータの存在も知らない
6. 使用可能なデータを使えなかった
7. 事故の状況は東電と保安院に任せる
8. メルトダウンの可能性なんかは、想像もしていない
9. 文科省のデータの存在を知ないまま、えいやっと20~30kmを決めた
ここに対比されることは、専門家が最悪のシナリオを技術的に推測して、
メルトダウンの可能性を想像できたかと、国民を守るのが目的だったのかどうかだ。
この大きな差を認識してハイライトを当てないまま、NHKは、
事故対応の議論の文書化が徹底していた(USA)か、
いなかったか(日本)、
というところでおしまいになった。
しかも、日本には文書化の法律がなかった…ときた。
馬鹿な。
本当に問題として放送すべきは、
危機管理の原点である
「国民を守るという視点の欠如と、情報の理解・推測から起こる可能性のある危機への認識の欠如」
だ。
「文書化の問題」に矮小化されては、国民は自分の身をも守れないわけだ。
こういう、矮小化された報道が毎日流されていると、国民は知るべきだろう。
(注:SPEEDIとは、文科省の緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)
注:このタイトルはNHKのみんなの声に投稿してあります。
<この写真はflickrから、Aboce of Chaosさんの“日本の黙示録”をお借りしました>
ライセンスはCreative Commonsの“表示”です
先日、NHKの番組を見ていて、ああこれが「論点のすり替え」、および「矮小化」の典型だと思った番組があった。
ことは、福島原発事故の初期対応のUSAと日本の対比の番組。
アメリカでは、NRCの昨年3月12日以降の3000ページに及ぶヤッコ委員長を含めて、関係者との議事録の公表が行われた。
方や日本では、内閣の議事録も取られていないという事実との対比だ。
真実を伝えるためには、
「原発事故の事実に基づいてどう行動したか」を伝えるのが本来のメディアの姿だろう。
僕に見えてきたのは、次のような対比だ。
USAのNRC
1. 事実を把握する
2. 目的は自国民をこの事故から守る
3. そのために情報収集をする
4. 日本の経産省原子力保安院から、逐次データを得る
5. 東電からもデータを得る
6. 米軍を含めて、自国の情報網でデータを集める
7. 専門家が、こうしたデータに基づいて、事故の状況を推測する
8. メルトダウンの可能性を認識する
9. 福島第一原発から、50マイル(80キロ)以内から自国民を排除命令
日本の対応
1. 事実は東電に把握させる
2. 目的は不明確 漫然と事故に対応して、国民を安心させようと行動
3. 東電からのデータに頼る
4. 経産省、保安院がアメリカNCRに流していたデータを知らないでいる
5. 文科省のSPEEDIのデータの存在も知らない
6. 使用可能なデータを使えなかった
7. 事故の状況は東電と保安院に任せる
8. メルトダウンの可能性なんかは、想像もしていない
9. 文科省のデータの存在を知ないまま、えいやっと20~30kmを決めた
ここに対比されることは、専門家が最悪のシナリオを技術的に推測して、
メルトダウンの可能性を想像できたかと、国民を守るのが目的だったのかどうかだ。
この大きな差を認識してハイライトを当てないまま、NHKは、
事故対応の議論の文書化が徹底していた(USA)か、
いなかったか(日本)、
というところでおしまいになった。
しかも、日本には文書化の法律がなかった…ときた。
馬鹿な。
本当に問題として放送すべきは、
危機管理の原点である
「国民を守るという視点の欠如と、情報の理解・推測から起こる可能性のある危機への認識の欠如」
だ。
「文書化の問題」に矮小化されては、国民は自分の身をも守れないわけだ。
こういう、矮小化された報道が毎日流されていると、国民は知るべきだろう。
(注:SPEEDIとは、文科省の緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)
注:このタイトルはNHKのみんなの声に投稿してあります。
<この写真はflickrから、Aboce of Chaosさんの“日本の黙示録”をお借りしました>
ライセンスはCreative Commonsの“表示”です