所用で6/20~7/11まで、ヨーロッパにいた。この間、つぶさにEUの瓦解の可能性を現地で目にしてきた。
結果はご存知の通り、BRRXIT派の僅差(51%)の勝利だった。
これは、よく結果を考えもしないで、「英国の独立という感情」からの結果だった。
・不法移民の増加の恐怖:自分の仕事が奪われる
・EUを維持するための英国の拠出金の多さ:損している英国
・大英帝国の残滓が国の独立を危うんだ
Etc.
しかし、裏腹に、英国の大きな損失があることを正確には思いもつかなかった。
・EUという巨大市場からの隔離
・自由貿易が止まる:関税がかかる 輸出が減る
・EU本社の英国からの脱出:雇用が減る
・外国資本の英国からの逃避:株が下がる
・イギリスポンドの下落、英国国債の下落
・流動性のあった労働力の確保の困難さ:企業経営へのインパクト
・景気の減速
・国内に定住している元移民の扱い:例えば夫婦の扱い
・思いがけないUKの崩壊の危機:スコットランド/アイルランド/ロンドンの独立
今回の国民投票は、従来の二大政党の戦いではなく、各々の党を分断する国民選択となった。従来の政党政治では収拾がつかない構図になった。大衆紙、「サン」もそれを煽った。
結果は、無責任な政治家の逃亡が起きた。
・キャメロン首相の退陣
・独立党の党首の逃亡
・離脱派の前ロンドン市長のトンズラ
イギリス国民は、この結果とその結果の意味することに気付いて、慌てている。そして、国民投票をやり直してほしいとの請願も多数よせられている。混沌とした状態だ。
問題は、このBREXITと、参院選の改憲派が2/3を握ったことの類似性だ
参院選では、野党、民進党の訴求力がなく、共産党については、名前への嫌悪感から、結果がもたらすことを、あまりよく考えもせず、自公民の与党に投票したのではないかと危惧している。
一昨年末の衆院選で、アベノミクスのキャッチフレーズに騙されて、自民党に大勝利を与えた国民。その結果、昨年の秋の騒ぎになった、「安保法制」の成立が目の前に現れた。その時、慌てても、始まらなかったのだ。ある意味では、国民は安倍さんに騙されたのだ。
今回の2/3の大勝利が何をもたらすかは、目に見えている。
・安倍さんのお爺さん、岸信介の夢だった戦前への回帰
・戦争のできる国への憲法改正への早い動き
・戦後の平和政治の終わり
・政治団体「日本会議」の達成感
特に若い人たちは、自分たちが、巨大国家、中華人民共和国と互角に戦っていかなくてならないと知るべきだろう。米国は、中国とは戦わないと協定をしている。アメリカを当てにして、威勢のいいことを言っていても始まらない。
若い人口が減少し、兵隊になる人も少なくなる人口問題を抱えて、どう考えて自分の一票のもたらす意味を、厳しく反省してもらいたいものだ。