花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

片付けましょう

2021年08月03日 | 研究
馴化温室のテーブルに残されていた試験管。
中には水と土が入っています。
これは塩害抑制の技術開発に取り組んでいる女子メンバーのものです。
フローラハンターズは今年4月に結成されたばかりの研究チームですが
彼女の研究はすでに2年目を迎えています。
なぜなら彼女は昨年のJr.。トレジャーハンターズのアドバイスを受けながら
1年生の頃からこの研究に取り組んできました。
そのため研究の深さは2年生ながら3年生並み。
もしかしたら先輩以上に面白いデータを集めているかもしれません。
いつもなら分析が終わったら試験管をきれいに洗って
次のサンプル採取の準備をするのですが、
今回はなぜか分析しっぱなしで机上に放り出しています。
実は彼女の研究はほぼ終了。もう分析予定はないのです。
本当ならきれいに洗って夏休みを迎えるべきでしたが
7月中旬の名農は体育祭の準備で大忙し。
授業もないうえ放課後は練習なので後始末をする時間が取れなかったのです。
夏休みの出校時に片付けてもいいのですが、
夏の馴化温室は人の侵入を阻む灼熱の世界。危険です。
汚部屋にならないよう夏休み明けには整理整頓したいと思います。
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思い出の引き金

2021年08月03日 | 学校
ここに2つの植物にあります。
左は花弁がパッと開いた花。一般的な花の姿です。
ところが右はラッパのように細長い筒状の花。
あまり多くは見かけませんが、確かにこんな花も野原で見かけます。
例年この周辺にくまのプーさんのようなマルハナバチが飛んできます。
もちろん蜜を吸うためですが、好んでくるのはどちらの花でしょう。
それは右の筒型。マルハナバチは舌が長く、
このような筒状の花でも舌を伸ばし蜜を吸えるのです。
逆にミツバチは舌が短いので、この手の花に寄ってきません。
つまりマルハナバチ専用の甘味処という感じです。
筒状の花の蜜を吸いたいからマルハナバチの舌が伸びたのか、
マルハナバチだけに受粉を手伝ってもらいたいから筒状に進化したのかは
わかっていませんが、相思相愛の関係だといわれています。
お互いが形態を特化させスペシャリストとなりましたが
これが今、悲劇を生んでいます。
環境の変化で筒状の花がなくなるとマルハナバチは生きていけません。
マルハナバチがいなくなると筒状の花は子孫を残せません。
チームフローラフォトニクスの研究に震災時に取り組んだ種差海岸の
サクラソウ保全活動がありますが、まさにこの花が悲劇のヒロインでした。
明るい草原が好きなマルハナバチですが、防風林として松を植樹。
松林は草原を覆い、日陰を作ってしまいます。そのためマルハナバチは姿を消し、
種子繁殖できないサクラソウはクローン繁殖をするようになり
みるみる自生地の遺伝的多様性が失われていったのです。
幸い最近、防風林を伐採して明るい草原に戻す活動が行われたので
近い将来、マルハナバチが帰ってくる可能性があり期待しています。
筒状の花を見ると思い出の引き金となり東日本大震災が蘇ります。
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