花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

環境システム科の「いちご白書」

2023年10月05日 | 環境システム科
こちらはイチゴの水耕栽培システム。
農業には果物という分類はないので
イチゴは野菜か果樹のどちらかになります。
答えは野菜。スイカもメロンも木にならないので野菜なのです。
さて名農で野菜を扱うのは生物生産科。
しかしこのイチゴを栽培しているのは環境システム科です。
環境システム科は施設栽培を学ぶ学科。
そのため温室で栽培できるものなら、
野菜でも果樹でも草花でも扱えるという高い自由度があるのです。
環境システム科では、このイチゴを毎年校内で販売。
イチゴ好きの皆さん、環境システム科で学んでみてはいかがですか。
ところでこのイチゴ、品種名は「よつぼし」といいます。
赤くて甘さ、酸味のバランスの良いイチゴですが、よく見てください。
ちょっとおかしなところがあります。秋なのにランナーが出ていません。
実はこのよつぼし、ランナーではなく種子で繁殖する珍しい品種なのです。
担当しているのは環境システム科の養液栽培班。
「よつぼし」研究の年次報告である「いちご白書」は、
2月下旬に研究集録で、3月下旬には口頭発表で紹介されるはずです。
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不都合な真実

2023年10月05日 | 研究
ほぼ実験を終えたというのにまだ測定している男子メンバー。
実は4月から行ってきた実験で、思うようなデータが取れなかったのです。
改善点は見つかったのですが、季節の関係で次回は来年となりました。
しかし年が明けた2月には農業クラブの検定があり
研究レポートを提出しなければなりません。
そこで彼の研究に関連した簡単な実験を追加で行うことにしました。
第1弾の測定はとりあえず成功。そこで先日、データをグラフにしました。
縦軸は二酸化炭素濃度(ppm)。植物を大きな袋に入れて変化を測定しました。
その際、わかりやすいように、袋の中に息を吹きかけ濃度を高めています。
横軸は温度。生物工学実験室のインキュベータを使って
常温の23℃から気温を40℃まで徐々にあげていきました。
するとどうでしょう。気温が32℃ぐらいまでは二酸化炭素が減少していきます。
これは光合成を行っているため二酸化炭素を吸収したと考えられます。
よく温暖化の話題になると植物は二酸化炭素を吸収するという話が出てきますが
この現象だと思われます。しかし35℃を超えたあたりから様子が一変します。
二酸化炭素を吸収できなくなっているのか、呼吸量が増えているのかわかりませんが
急に二酸化炭素が増えていきます。
35℃は猛暑。今年は日本でも40℃近くまで気温が上昇しました。
もしかして私たちの周りの植物はこんな状態になっていたかもしれません。
ということは猛暑になると植物の二酸化炭素を吸収する機能は衰え
ますます温暖化に拍車がかかるといいうわけです。
この不都合な真実には、測定した彼だけじゃなくて、みんな驚きました。
次は第2弾。土の変化を探ります。
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