花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

for 美ら海

2022年02月26日 | 研究
こちらは三和土の材料といいたいところですが違います。
左は硫酸マグネシウム、真ん中は塩化マグネシウム。
そして右端が苦土石灰です。
実はこれらによって消石灰の添加割合を減らし、
土壌を固化させる実験も行っています。
なぜなら消石灰を使うとどうしてもpHがあがります。
いくら沖縄の粘土が吸着してくれるとはいえ
石垣島は世界一美しい海といわれ世界遺産。
周辺の環境や生物のことを考えると低いこしたことはありません。
そこでpHがあまり上昇しないこれらを用いて
土壌が固化するのかを試しているのです。
単に目的の三和土を作るのではなく
新しいことにも遊び心をもって挑戦するのがフローラの流儀。
ここでもフローラらしさが輝いています。
2015年頃に開発された草花サンパチェンスを使った
水質浄化システムにはTYPE 1、TYPE2、TYPE3と3種類ありました。
そしてその技術を応用して世界大会に臨んだ時は
フローラではTYPE W(for world)と呼んでいました。
今回の土壌流出技術はTreasure Huntersが考案した開発途上国用ではなく
より環境に配慮したfor Ishigaki、for 美ら海。
アイデアが実現するか男子たちのチャレンジが楽しみです。
コメント

眠るな、死ぬぞ!

2022年02月25日 | 研究
コロナの感染拡大に伴って学校の活動制限が行われるようになってもう2年になります。
つまり現在2年生のFLORA HUNTERSは、
高校入学時からあれもできない、これもできないという環境におかれています。
楽しみにしていた部活動も文化祭も思うようにできず、修学旅行も延期。
やる気満々の高校生にとっては辛い我慢の日々です。
しかしこのところ、今までとは違う副反応がでてきたように感じています。
たとえば大人の社会ではコロナで歓送迎会とか忘年会が2年間自粛された影響で
もうみんなで集まって飲食する必要がないんじゃないかとか、
集まること自体に苦痛を感じている人が増えているといいます。
一堂に会さなくても、やりにくいとはいえ仕事は進むからです。
それが高校生にも起きているように感じるのです。
例えばチャレンジ精神の減退。長い間、我慢させられているうちに
動かないことが当たり前になり、チャレンジする意欲がなくなっているのです。
部活動もなく、さらに来月から午前授業となればモチベーションは下がる一方。
楽しんで日本を飛び歩いていた先輩とは、あきらかに違う変化には驚きます。
高校時代はいろいろな体験を通して学ぶ大切な時期。
もちろん人にもよりますが、もし
「無理して苦労する必要などない」と
思っている人が本当に増えているのであれば、将来ちょっと心配です。
肉体とともに精神も蝕まれる。
もしかしたら、これがコロナの本当の怖さかもしれません。
「眠るな、死ぬぞ!」
チームは雪山で倒れた人に叫ぶように、あの手この手で
彼らのチャレンジ精神が眠らないよう必死に揺り動かしています。
しかし雪山に道をつけるラッセル作業は苦労の割に
一向に前に進まないので疲れます。
コメント

隣の芝生

2022年02月25日 | 研究
ケースに入った山盛りのノートパソコン。
みんなMacのPCです。一人一台分あるので
先日行われた農業クラブの検定で
提出するレポート作りにも使われ大いに役立ちました。
おそらく他の研究班の皆さんから見たら
羨ましい環境だと思われます。しかし問題もあるのです。
たとえば学会主催の発表会などではそれぞれがこのMacを
オンライン接続して参加するのですが、必要になるのはウイルス対策。
もちろんコロナではなく、コンピュータウイルスです。
ソフト1つで3台のPCをカバーできるとはいうものの
これだけあるとソフトは3つ必要。
その更新料金を負担しなければなりません。
当然、対策ソフトの有効期限が同時期に一斉に切れないよう
工夫しているとはいえ、毎年の料金負担は
チームにとってはボディーブロー。
隣の芝生は青く見えますが、
恩恵を受けるために当事者はそれなりの苦労をしています。
コメント

青汁

2022年02月24日 | 研究
スムージーというよりも青汁。
しかし一般的なケールや麦の葉ではなくホウレンソウです。
実はこの冬、あるフローラメンバーは先輩が予備実験で面白い結果を得ていながら
別件が忙しくなり、途中で中止されていた研究を復活させました。
それがホウレンソウの露天風呂栽培。寒い中、養液だけをあたためる栽培法です。
この青汁は栽培法の違いによって植物体に含まれている
硝酸態窒素の含有量が違うのかを確かめるために作ったものです。
分析の結果、面白いデータがでました。
一番多いのは一般的な室内での水耕栽培。暖かな室内で液肥を吸収して
育ちました。しかし液肥をぐんぐん吸収したためか
葉や茎にたくさんの硝酸態窒素が蓄積されたようです。
とはいっても一般的なホウレンソウの含有量。許容範囲です。
次に少なかったのは寒い中、土耕で育てる「寒締め栽培」。
すでに寒締め栽培では硝酸態窒素が減少することが報告されていますが
やはり先行研究と同じ結果が確認されました。
理由は低温のため根からの吸水量が減少するから。
肥料を吸収できなくなったホウレンソウは大きくなれませんが、
硝酸態窒素の蓄積も少なくなります。
では「露天風呂栽培」はどうでしょう。
なんと一般的な水耕栽培より40%も少なくなりました。
根圏は加温されているとはいえ、やはり外気が氷点下なので
養液の吸収量は室内栽培より少ないと考えられます。
でもあたたかな養液を吸収しているため寒締め栽培の何倍も大きく育ちます。
おそらく少し吸収した肥料分以上に育つので蓄積されていた窒素分が
使われたのではないかと考えています。吸収量と消費量の微妙なバランス。
この関係を探っていくと乳幼児でも安心して食べられる低硝酸野菜を
安定して栽培できるようになると思われます。面白い発見でした。
コメント

時短要請

2022年02月24日 | 研究
現在、実験真っ最中のフローラハンターズ。
2つのグループに分かれていますが、4名チームの試験区は16。
2名チームも20。ともに手探りで進んでいるため、
たくさんの試験区が設定されています。
どちらのチームもピペットでサンプルの水を採取し、
分光光度計で成分を測定しています。
ピペットはTreasure Huntersも使っていたので
農業高校の研究班にしてはたくさん持っていますが
これだけサンプルがあると途中でどうしても洗わなければなりません。
部活動だったり大学生だったらたくさん時間がありますが
フローラハンターズは授業の中で結成されたチーム。
放課後は資格取得や部活動にいかなければならないので
いかに短時間で効率的に行うか、つまり実験の時短が重要になります。
そこで時短要請に応え、使い捨てのプラスチックのピペットを用意しました。
幸い使っている装置は、採水する量を測定する必要がないのでこれで十分。
約300本用意したので、しばらくは時短できそうです。
コメント