あも&サチアキの交換日記

どうやら交換日記が続いているようです(祝何年目?

累ヶ淵の話をフィルムで見てきた

2018-12-01 | from:sachiaki
タイトルは『新景カサネガフチ』だったけれど
落語の『真景累ヶ淵』よりは、累ヶ淵伝説そのものから
取り出した話っぽくて、ちょっとだけ話が違うな、って思ったけれど
ジャパニーズホラーというか
実際にあった殺人事件&怨霊話ものなだけあって
ちょっと背筋がゾッとする感じがしました。

どうも。引越しの準備はどうした?と問い詰められると
困った顔でしか返せないsachiakiです。

今映画にもなって話題の『累』のモチーフが
まさにこの『累ヶ淵伝説』だというので
へぇ〜ってなりつつも、
累ヶ淵伝説をペラッと調べてみたら、
ただ醜いからという理由で子供を殺してしまうとか、
その呪いを受けて次に生まれた子も醜いうえに
自分も死ぬとか、
呪われた子供はさらに育って酷い目に合うとか
田舎ではよくあった”子殺し”の話とはいえ
おぞましいなぁって吐き気をもよおすお話でした。

で、

この今回見てきた『新景カサネガフチ』はそういった話かといえば
全然そういったホラー要素はほとんどなく、
ただその土地に生まれた女の子が
とてつもなく故郷にこだわる子なうえに
なぜ故郷にこだわるのかと思えば
その土地自身と彼女が重なっていた、って感じで
それだけなら、それほど累って部分はないのだけど
ある時、彼女は彼氏と共に『累ヶ淵』を探したい
といって伝説を頼りに一日中歩き回わることになります。
結局痕跡といえば、『累』は実在の人物でお墓もあったが
風景自体はすっかり変わり果ててしまって
本当に彼女(累)が殺された場所が分かりませんでした。
そして、件の彼女は周りがとっぷりと暮れて暗くなるまで
おそらくここだろうと予測された川べりでずっと佇んでいたのに
ある時を境に普通に帰りだしてしまうのです。
一緒にいた彼氏は、あまりの豹変っぷりに
彼は驚きますが、真に驚くのはそのあとで、
その累ヶ淵探しの後の彼女はすっかり精神が安定するようになり、
土地が変わっていっても動揺するようなこともなく
まるで”別人”のようになった。
ということなのです。

それだけならそれほど怖い話でもなんでもないというか、
あー、なんか憑き物が取れたとかそういうやつ?
って感じなんだけど、
今度は彼が夢をちょくちょく見るようになりまして
その彼が見る夢というのが、
その『累ヶ淵』の日の夢で、立ち去った彼女の背中を見送ったはずなのに
目の前にまたウリふたつの彼女が立っていて微笑んでいる。
というものなのです。

去っていく別人の彼女と置き去りにされる彼女。
いつしか、置き去りにされた彼女のことを、
彼は『累』と呼ぶようになります。

結局そのあとも怖いというようなものはないのだけど、
彼が憂鬱に苛むようになったのは
ちょうど『累』の夢を見るようになった頃と重なり、
また彼女も彼から「累ヶ淵をみつけた」という報告で確信を得た
(累の霊のようなものは彼に引き継がれた)のか
報告の電話に対応する時に
「私より先に死なないでね」と言い放って終わるのです。

ゾワッとするような話ではないけれど
やっぱり気持ちの良い話ではないのと
ここまで現代風にアレンジしてしまう妙に
すっかりやられてしまいました。

佐々木友輔監督の作品だけをずっと一日中流すという
イベントで2つほど見て帰ってきたけれど
『新景カサネガフチ』は語らずにはいられない作品だなと思いました。

あと実際に累ヶ淵に行ってみたいとも思ったり。

フラッシュバックを多用する監督さんだからか
しかもフラッシュバックの時間の帯が普通の人よりだいぶ長くて、
何百年という単位を行ったり来たりするから
自分の記憶がどんどん曖昧になって
すっかり映像の中に溶け込んでしまう感じがあるのよね。

癖があって面白い監督さんだなと思いました。
また機会があったら見てみたいです。

というわけで、この押してしまった時間を取り戻すべく
もう少し引越し作業を頑張ってきますよ。
そんじゃーね。モイモイ
コメント
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