アウシュビッツの横で平穏に暮らしていた家族がいた…
「関心領域」というタイトル通りで
有して鉄線の張られた塀の向こう側で行われることは
いっさい映画の観客側にも見えないんですけれど
ボッボッて音が聞こえたり、
高熱焼却炉の炎が見えたりするので
今なにが行われているのか
歴史を知っているわたしたちには
容易に物語っているんですけれど、
何も知らない、あるいはそうであることを考えない
ように家族は過ごしていて
それが心底恐ろしいと感じているsachiakiです。
ちなみにその平穏な家族の大黒柱である男性は
柄の向こう側に勤めに出る、けっこう高位な軍人さんで
その奥様は無邪気に配給(?)で届けられた
服をメイドたちに「どの服を選んでもいいわよ」って
渡すんですけれど、まぁ用意に想像できるんですよね。
その出どころってのが。
で、だろうなって思っているところで
ほかの同じような境遇の奥様たちが集まるお茶会で
(お茶会っていっても、わたしたちがよくやる
家でお茶とお菓子を食べながらお喋りするやつです)
指輪を手に入れた時は歯磨き粉の中に忍ばれていたので
以降歯磨き粉などをよく調べているって話をしたり
その隠し方に頭がいいという人がいると
「頭がいいのよ、ユダヤ人って」と
サラッとアンサーを出してくるわけです。
あー…いないとは思いますが一応説明すると
アウシュビッツを含む矯正施設に収容された
ユダヤ人を筆頭にした人々は
収容される前に服だの持ち物を全て没収され
髪は全部剃られ、健康診断を受けて
働けそうなものは重労働に課され
病気だったり弱そうなものはすぐに処分されたそうです。
処分はもう言うまでも無いけれど虐殺のことで
ガス室送りになった人が多いけれど
射殺された人も多かったようです。
ほかにも棍棒で撲殺や犬にけしかけられて
崖から落とされたりさまざまな方法で
殺害されたそうです。
処された人数は1日約1,000人
トータルで数百万人が殺されたそうです。
それにしても、塀の向こう側では
どう考えても地獄以上の地獄なのに
銃声すらとくに聞こえていないようで
犬が花壇をいたずらすることに怒ったり
次に行きたい旅行の場所などの話をしたり
とても普通の暮らしをしているんです。
なぜ関心を寄せないのか?
いや、関心は違った意味の関心で
ユダヤ人やポーランド人、ロマ(ジプシー)の人や
政治的に批判をした政治犯などが収容された際に
持っていた持ち物は奪われているので
その奪ったものをどう分配するかとか
そういったことなんですよね。
その証拠に奥様はメイドに対して
「お前を夫にお願いして灰にしてもらうかしら」
って苛立ちをぶつけるシーンがあるので
塀の向こうで人が死んだり燃やされていることは
よくわかっているんですよね……。
にしても、家族が夫の転勤で頑張って作った庭付きの
豪邸を手放すって話をした時に
奥様がブチキレるんですけれど、
もうね……
それと同じ怒り以上のものを持った人たちが
歴史上名前もなく奪われ殺されていったのに
そのことには思いいたらないのよね。
まぁそんなもんなんだろうね……。
で、その奥様が手放したく無いと願った
豪邸に夫のお母様が身を寄せるんだけど、
二重窓を閉めても聞こえてくる悲鳴や
真夜中にも赤々と燃える炎を見るのに耐えられず
逃げちゃうんですよねぇ。
そのほかにも考えさせられる部分が
ちょいちょいと出てくるんですけれど、
とにもかくにも、
仕事熱心な人がなにに対して熱心な仕事をしてるか
そういうのは第三者にしかわからないし、
なんなら時間がかかってからや
遠い遠い異国のものでないと
わからないのかもしれません。
ホロコーストを生き延びた精神科医が書いた小説
「夜と霧」も途中まで読んだけれど
読み終えてないので早く読まないとねぇ。
あ、そうそうホロコーストというと
ユダヤ人ばかりが注目されますが
先にも書いたように、ポーランド人や
ロシアの一部の地域の人やジプシーなど
多様な人間が殺されていることも
忘れないでおきたいです。
(たしかにユダヤ人が一番多いんだけどね)
こういったデカすぎる負の歴史を負っている
ドイツの人って大変だろうな
もちろん殺された人々のことを考えると
吐きそうになるんだけど、
それはやはり過去のものなので
その過去を考えながら現在を考えないとねってなります。
流れでアメリカ人が強制施設を解放した後の
様子を記録している映像を見たんだけど
皮膚病の末、指がなくなった足や
撃ち抜かれた頭部など
けっこうエグくて見るのは精神的に
余裕がある時じゃ無いとキツいかもなってなりました。
そして諸々を見て、改めてガザで行われていること
ウクライナで行われていることなど
人種ってだけで差別することの恐ろしさを
改めて考えてしまいました。
さて、押してしまったので
そろそろ作業に戻ります。モイモイ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます