裏高尾“旧甲州街道”沿いの枯れ木に着生している「カヤラン(榧蘭)」。ラン科カヤラン属の多年草で高湿度の樹木の幹や枝に気根で着生し垂れ下がる。花期は4~5月で花径は2センチほど。花被片は黄色く唇弁には赤い縞模様がある。その名は披針形の葉がカヤに似ていることに由来している。ここでは数年前に見ていてブロ友さんに伝えたことがあったが、その後、その存在をすっかり忘れていてブロ友さんの記事を見て思い出した。記憶力の低下は困ったものである。
長池公園”自然館”前に植栽されている「ミドリミツバウツギ(緑三つ葉空木)」。ミツバウツギ科ミツバウツギ属の落葉低木で、通常のミツバウツギの花弁や萼片は純白だが、本種はやや緑色掛かる変種。50年以上前に発見されて名付けられたが、その後目撃情報がほとんど無くなった。5年前に当地の植物専門家から八王子市内の某所で発見したと聞いていたが、観察用にここに植栽したようだ。ネット検索でも画像はヒットしない。この日は終わり掛けの花が1輪しか見つからなかったが、できれば状態の良い花を撮り直そう。
高尾山の登山道脇に生育している「ヤマウツボ(山靫)」。ハマウツボ科(←ゴマノハグサ科)ヤマウツボ属の多年草で葉緑素を持たずブナなど落葉広葉樹の下のやや湿り気のあるところで樹の根に寄生し養分をもらって成長している。草丈は10~15センチで細長い唇弁花を多数付ける。花期は4月下旬で他の株は既に花が終わっていたが辛うじてこの株だけ花が残っていた。低地で普通に見られるヤセウツボに見た目や名前が似ているが全くの別物。