ムクロジ科(←カエデ科)カエデ属の「ミツデカエデ(三手楓)」。北海道~九州に分布している落葉高木で日本固有種。名前の通り葉は3出複葉になる。小葉は長さ4~8センチで秋には赤や黄色に色付く。これは神子沢公園のもの。
宮上小学校付近の街路樹の「ハクウンボク(白雲木)」。エゴノキ科エゴノキ属の落葉小高木で、その名前は白い花が花序に多数付く様を白雲に見立てている。写真は落ち葉の葉柄と冬芽の部分で冬芽が包まれていた様子がわかる。同じような“葉柄内芽”はスズカケノキにも見られる。
長池公園で見られる「ジョウシュウカモメヅル(上州鴎蔓)」。キョウチクトウ科(←ガガイモ科)オオカモメヅル属のつる性多年草で関東~近畿地方の山野に分布している。花期は7~9月で果実は長さ3~4センチの披針形の袋果になる。長さ3~4ミリの種子には長さ2センチほどの種髪が付いている。
エゴノキ科エゴノキ属の「ハクウンボク(白雲木)」。北海道~九州に分布する落葉小高木で5~6月に長さ10~20センチの総状花序を出し純白の花を下向きに咲かせる。写真は葉の基部の葉柄で冬芽はこの葉柄に包まれており葉が落ちると黄褐色の毛に覆われた裸芽が現れる。この冬芽は“葉柄内芽”と呼び枝の下部には葉柄が落ちた冬芽が見える。
ユリ科ホトトギス属の「キイジョウロウホトトギス(紀伊上臈杜鵑草)」。紀伊半島南部の固有種でジョウロウホトトギスに似ていることから名付けらている。上臈とは貴婦人の意味であり上品な花の姿を貴婦人に見立てている。当地では自生は無く公園や寺社などで植栽が見られる。民家でも鉢植えでは上手く育つが、東京薬科大学“自然観察路”では昨年名札を見つけたので開花を楽しみにしていたが今年は開花が見られなかった。担当者に聞いてみると地植えの場合は湿った岩場や崖のような生育環境を作るのは難しいようだ。写真は地植えされたものだがここでは上手く育てられている。花期は9~10月で写真は若い果実。
南陽台の住宅地で見掛けた「イチゴノキ(苺の木)」。ツツジ科イチゴノキ属の常緑低木で地中海沿岸地方原産。9~12に直径4~6ミリの釣鐘状の花を多数咲かせ翌年の晩秋に果実を稔らせる。そのため花と果実を同時に見られることがあるがここでは花しか見られなかった。
下柚木3号緑地の北側は「ユリノキ(百合の木)」の街路樹になっている。この道は多摩ニュータウン通り板橋南交差点付近から、富士見台公園南側、柳沢の池公園北側、上柚木公園南側を通って鑓水方面まで4キロ以上続いている。ユリノキはモクレン科ユリノキ属の落葉高木で北アメリカ原産。日本には明治初期に渡来したと言われている。ユリノキの葉は秋に黄褐色から褐色に変化するが、高木になり葉も大きいので落葉後は道路が枯れ葉で埋もれる。
ヒユ科アカザ属の「シロザ(白藜)」。日本全土に分布する一年草で若い葉には白い粉状毛があり白っぽく見える。9~10月に目立たない花を多数咲かせ果実は直径2ミリほどの5角形になり中に直径1ミリの種子が入っている。若葉の頃はアカザと区別し易いが果実期になると違いはわからない。
マツ科ヒマラヤスギ属の「ヒマラヤスギ(喜馬拉耶杉)」。ヒマラヤ山脈原産の常緑高木で日本には明治時代に渡来した。雌雄同株で10~11月に雄花序と雌花序を付ける。株によっては雄花序が目立つ樹と雄花序が全く見当たらない樹があるので雌雄異株のようにも思えるが、樹齢30年を超えないと雌花を咲かせないようだ。雄花序は長さ5~6センチで枝に多数付くので開花に気付くが、雌花序は長さ5~6ミリで数が少なく葉に隠れており、更に雌花序の多くは高い枝に付くのでなかなか見つからない。一昨年の秋に初めてこの雌花序を見つけたが、それ以降、この時期になるとつい探してしまう。雌花序は受粉しても途中で枯死してしまうことが多く、低い枝で雌花序を見つけてもその成長を観察し続けるのは難しい。
奥高尾“大平林道”の崖に生えている「イワガネゼンマイ(岩ヶ根薇)」。イノモトソウ科(←ホウライシダ科)イワガネゼンマイ属のシダ植物で北海道~九州の山地のやや湿った場所に分布している。葉身は70~80センチで羽片は10~20センチ。葉脈は網目にならず鋸歯まで届きそれに沿ってソーラスが付いている。同属のイワガネソウの葉脈は網目状になる。