現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

千早茜「イヌガン」眠りの庭所収

2018-04-26 08:24:31 | 参考文献
「アカイツタ」の十年後の後日談のようですが、はっきりしません。
 風俗や時間の経過にも無頓着で、かなりいい加減に書いてあります。
 文章も人物造形も低調で、正直にいって同人誌の初心者レベルとそんなに違わないので、商業出版されていることに驚かされます。
 しいていえば、登場人物たちが三十歳前後に設定されているのに、ひどく未成熟で独りよがりな点(まるで高校生のようです)が、現代の同様な女性たちにうけて、商品性があるのかもしれません。
 また、作品の中に民話風な話を入れているのですが、このままでは成功しているとは思えません。
 この点では、児童文学には民話を生かしたもっと優れた作品(例えば、松谷みよ子の諸作品など)がたくさんあります。

眠りの庭 (単行本)
クリエーター情報なし
角川書店
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