現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

蜂飼耳「箱のなかみ」のろのろひつじとせかせかひつじ所収

2018-04-22 09:29:23 | 作品論
 せかせかひつじが、旅の行商人から毛が生える薬を買い、毛が早く伸びすぎてしまって困る話です。
 特にひねりもユーモアもなく、依然として二匹のヒツジの友情もうまく描けていない凡庸な話です。
 単なる思い付きをお話にしただけで、童話を書き始めたばかりの初心者の女性が書いた作品のレベルと五十歩百歩です。
 なんでこんなのが商品になるのかといえば、作者の名前の持つブランド力でしょう。
 それでも、この本を「かわいい」なんて言って購入するお客もいるでしょうから、商売として成り立つわけです。
 お笑いタレントのつまらない本が、ベストセラーになるのと同じ仕組みです。
 それ自体は出版社にとってはビジネスなので仕方がないのですが、とうぜん弊害はあります。
 「悪貨は良貨を駆逐する」
 これは世の常で、どんな世界でも通用することです。
 こういった本が出版される代わりに、現代の子どもたちの姿を真摯に描いた作品などは出版されなくなります。
 
 
のろのろひつじとせかせかひつじ (おはなしルネッサンス)
クリエーター情報なし
理論社

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする