主人公の女子大生マーちゃんの卒論(セリーヌの「リゴドン」についてです)の準備を中心にして、弟の浪人生のオーちゃんの予備校での模試の結果、障碍者の兄のイーヨーも含めたクリスマスの食事会を通して、小説(特に子どもの取扱い)の持つ悲しみについて、セリーヌやエンデの作品などを題材にして語られているので、児童文学、特に現在はあまりいないと思いますがシリアスな内容の作品を書こうとしている人には参考になります。
ただ、一応マーちゃんの語りで書かれているのですが、この短編集の他の作品より父親(作者)の考えが色濃く表れていて、主人公たちの個性がかなり制限されているように感じました。
また、上智大のフランス文学専攻の三年生と思われるマーちゃんや浪人生ながら東大理科二類(生物学者を目指しています)に合格確実と模試で判定されているオーちゃんは、かなり自在にフランス語や英語の原書を読みこなせるようで、ともすれば、読者には会話の内容がややスノッブな感じ(例えば、東大と書かずにただ理科二類とだけ書いてあります)に受け取られるかもしれません。
それを、文中でオーちゃん自身が語っているように、障碍者であるイーヨーの企まざるユーモアが救っています。
ただ、一応マーちゃんの語りで書かれているのですが、この短編集の他の作品より父親(作者)の考えが色濃く表れていて、主人公たちの個性がかなり制限されているように感じました。
また、上智大のフランス文学専攻の三年生と思われるマーちゃんや浪人生ながら東大理科二類(生物学者を目指しています)に合格確実と模試で判定されているオーちゃんは、かなり自在にフランス語や英語の原書を読みこなせるようで、ともすれば、読者には会話の内容がややスノッブな感じ(例えば、東大と書かずにただ理科二類とだけ書いてあります)に受け取られるかもしれません。
それを、文中でオーちゃん自身が語っているように、障碍者であるイーヨーの企まざるユーモアが救っています。
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