2014年のカンヌ国際映画祭で、グランプリのパルムドールを受賞したイタリア映画です。
トスカーナ地方を舞台にして、一家で養蜂を営む家族の姿を、長女の中学生ぐらいと思われる少女の目を通して描いています。
彼女は典型的な長女キャラで、横暴でわがままな父親、優柔不断な母親、気ままな妹たち(小学生ぐらいが一人と、幼稚園ぐらいが二人)などに囲まれて、実質的に一家を支えています。
彼女は、一度はこうした家族たちから離れることを夢見て、もっと広い世界への憧れを持ちますが、最後には家族のもとへ戻ってきます。
彼女の名前ジェルソミーナからは、ジュリエット・マシーナが演じたフェリーニの「道」の主人公を連想してしまいます。
軽度の知的障害者だった彼女に対して、長女は感受性豊かで聡明な少女ですが、どちらも無垢な魂の持ち主であることは共通しているかもしれません。