現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

庄野潤三「カーソルと獅子座の流星群」絵合わせ所収

2020-11-30 17:22:28 | 参考文献

 「文学界」昭和46年3月号に掲載されて、短編集「絵合わせ」に収められました。

 この作品の構成は、以下の通りです。

一 中学三年生の良二が、獅子座の流星群を見に夜中に家を出た話

二 作者が軍隊で使っていて、子どもたち(結婚して家を出た長女も含めて)が代々使った計算尺のカーソルが壊れていたので作り直す話。

三 計算尺のカーソルを改良する話

四 良二が、これも壊れた望遠鏡を持ち出して土星を見た話

 作品は、良二を中心に浪人生の兄の明夫も出てきます。

 しかし、長女の和子も含めて五人家族だったのが、四人になった寂しさは隠せません。

 この話は、表題作で巻末の作品である「絵合わせ」への通奏低音のような働きをしています。

 

 

 

 

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庄野潤三「戸外の祈り」絵合わせ所収

2020-11-30 17:07:21 | 参考文献

「婦人の友」昭和44年5月号に掲載され、短編集「小えびの群れ」に収められました。

 この短編の構成は、以下の通りです。

一 子供部屋における中学二年の良二と高校三年生の明夫のやり取り。

二 月のまわりに白い大きな輪を見つけて、高校を卒業して勤めている(?)姉の和子も含めた兄弟三人がお祈りする話。

三 良二がテレビで見た海鳥の親子の話。

四 「ざんねん」(いくらでも食べたいのに、お腹がいっぱいになって食べられなくなってしまうから)と呼んでいる豚肉の水炊きの残りで作る雑炊とその時の兄弟のやり取り。

五 不思議な経験についての明夫の話

 この作品でも、仲の良い三人兄弟の姿が、随所に浮かび上がってきます。

 しっかりものの一番上の姉、元気いっぱいで弟にちょっかいを出す兄、おっとりしている弟の個性がかみ合って、絶妙なハーモニーを奏でます。

 

 

 

 

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