「文学界」昭和46年3月号に掲載されて、短編集「絵合わせ」に収められました。
この作品の構成は、以下の通りです。
一 中学三年生の良二が、獅子座の流星群を見に夜中に家を出た話
二 作者が軍隊で使っていて、子どもたち(結婚して家を出た長女も含めて)が代々使った計算尺のカーソルが壊れていたので作り直す話。
三 計算尺のカーソルを改良する話
四 良二が、これも壊れた望遠鏡を持ち出して土星を見た話
作品は、良二を中心に浪人生の兄の明夫も出てきます。
しかし、長女の和子も含めて五人家族だったのが、四人になった寂しさは隠せません。
この話は、表題作で巻末の作品である「絵合わせ」への通奏低音のような働きをしています。