岐阜の画廊 文錦堂

gooブログ始めました!

~風情溢れる絵付~「池田 省吾展」DM作品紹介(2)

2013-07-31 08:32:37 | 工芸
皆さん、おはようございます。
昨日は、一昨日の大雨の影響もあってか湿気が凄く、本当に蒸し暑い一日でした。
今日も朝から容赦なく太陽が照りつけており、暑くなりそうです・・・。() 皆さんもどうぞ熱中症対策を十分に行って下さい!!

さて、今週末は夏休み特別企画と題して、「池田 省吾 小品展」を開催致します。

 「種子島無比 池田 省吾 小品展」 【 8月 3日(土)~11日()】

開催に先立ち、昨日からDMに掲載された作品をご紹介致しておりますが、今日ご紹介する作品は織部作品と共に人気の粉引作品による「徳利」です。

地元・種子島の荒々しい赤土を素材にして、化粧土を掛けた上に呉須を用い、春雷のなか傘を差して帰宅の途を急ぐ村人を巧みに描いた風情ある絵付が施されています。



   池田 省吾 作 「種子島粉引春雷徳利」 H10.1×D 8.6cm・・・・・(売約済

 呉須による風情溢れる絵付。

 夕焼けを連想させる様なほのかな緋色が、片身替わりの如く器体半分に彩ります。

池田 省吾さんといえば、先の「陶人形展」でも芸大生や日本画家の先生までもが目を見張られたように、その圧倒的な描写力に誰もが驚かされます。
独創性溢れる織部の作風とは異なり、藍色の呉須のみによって絵付された粉引作品は、省吾さんの描写力がさらに際立ちます・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いよいよ今週末は「池田 省吾 小品展」です!!/~虎・虎・虎~ DM作品紹介(1)

2013-07-30 09:51:50 | 工芸
皆さん、おはようございます。
昨日は、太田さんとの別れを惜しむかのように土砂降りの大雨に見舞われた岐阜でしたが、今日はも止み、朝から太陽が顔を出してくれています。

一昨日、太田 梁さんのお通夜に出かけてきました・・・。 ご家族に、そして多くの陶芸家仲間に本当に愛されていた太田さんでした。
きっと、天国でも黄瀬戸に“情熱” を傾けながらもくもくと作陶活動に励んでおられることと思います・・・。 謹んでご冥福をお祈り致します。(合掌)

さて、今週末からは夏休み特別企画ということで、いよいよ「池田 省吾 小品展」が開催されます。

 「種子島無比 池田 省吾 小品展」 【 8月 3日(土)~11日()】

お客様方からの事前のお問い合わせも本当に多く、省吾“人気”の凄まじさを改めて感じております・・・。 
今展では、先の「陶人形展」の折にご紹介出来なかった茶碗や酒器、食器などの小品を並べての展示となり、「陶人形展」とは異なった省吾さんの新たな世界をお見せ出来ると思います。 乞うご期待!!

ということで、今週はDMに掲載された作品をご紹介していきます。 
先ずは、今展のメインを飾る作品の一点であり、炎芸術さんから9月1日書店発売で刊行される、別冊炎芸術 『志野と織部 All of Shino&Oribe』にも掲載予定の



   池田 省吾 作 「織部虎茶碗」 H11.0×D12.0cm・・・・・(売約済

 作品にストーリー性を持たせている省吾さんですが、この作品にはドクロの掻き落としが。 果たして・・・???

 省吾さんの手ににかかると、虎の引っかき傷までもが文様へと変身してしまいます。(笑)

別冊炎芸術 『志野と織部 All of Shino&Oribe』では、大きく特集される予定の池田 省吾さん。
最近の織部作品では、今回ご紹介した「虎」シリーズが展開されていますが、今後も新たにどの様なシリーズ作品が生まれてくるのか楽しみでなりません。
止まることを知らない省吾パワーから今後も“目”が離せません!!

池田 省吾 (いけだ しょうご)

1976年 鹿児島生まれ 1996年 日本デザイナー学院 卒業 1998年 鹿児島県工業技術センター陶芸部 卒業 1999年 有田窯業大学卒業後、川添 貞秀に師事
2000年 種子島にて独立
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

週末特別企画(3)/黄金の競演《池西 剛 編》

2013-07-28 08:41:51 | 工芸
皆さん、おはようございます。

今朝の岐阜は既に30度を越しており、今日も真夏日となりそうです・・・。

26日(金)からご紹介しておりました「週末特別企画」、最後を飾るのは愛媛県今治市にて作陶活動を続ける池西 剛さんの珠玉の黄瀬戸酒器揃から。

近年、その活躍は目覚しく、備前・黄瀬戸・唐津・高麗など多種多様の作品は、そのどれもが古陶と見まがわんばかりの風格を感じさせ見る者を驚かせます。
中でも人気の黄瀬戸作品は、その柔らかな釉調から古格を漂わせながらもどこか温かみを感じさせてくれます。 まさに酒を呑んでみて旨く楽しい酒器だと言えます・・・。 



先ずは、徳利から。



   池西 剛 作 「黄瀬戸徳利」 H14.0×D 7.4cm・・・・・¥75,000-

 首肩部には、タンパンと焦げによって彩られた池西先生独特の草花文が。

続いて、



   池西 剛 作 「黄瀬戸酒盃」 H 6.1×D 5.8cm・・・・・¥45,000-

 器体中央に大胆に刻まれた梅花文に色濃く彩るタンパン。

番外編として、印刻や線刻などの装飾を用いずシンプルにタンパンや鉄彩のみで仕上げたぐい呑も。



   池西 剛 作 「黄瀬戸酒盃」 H 5.1×D 5.8cm・・・・・¥45,000-

 柔らかな釉調にタンパンと焦げがほのかに彩る景色。 

池西 剛 (いけにし ごう)

1961年 大阪府吹田市生まれ。 各地の窯場を巡られ日本・朝鮮・中国の古陶磁を学んだ後、愛媛県今治市に五連房式登窯・単室穴窯を築窯され、全国各地で個展を中心に作品を発表されています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

突然の訃報・・・/黄金の競演《太田 梁 編》

2013-07-27 10:39:36 | 工芸
皆さん、おはようございます。

朝から太陽がギラギラと照りつけています。 今日もまた暑くなりそうです!!
今日は、夕方から長良川の夏の風物詩ともいわれている全国選抜長良川中日花火大会が中日新聞主催で行われる予定で、既にパンパンと花火の音が聞こえてきます。

 長良川と金華山を背景に3万発の花火が上がり、とても幻想的な風景を演出してくれます!!

さて、そんな夏のさなかに朝から大変悲しい訃報が飛び込んでまいりました・・・。

昨日から行っている「週末特別企画」で 、今日ご紹介するはずであった太田 梁さんが、本日未明に突然逝去されました。 

近年、桃山黄瀬戸の雰囲気を醸し出した作風でメキメキと頭角を現してきた太田 梁さんですが、最近は本歌の雰囲気を残しつつも独自の作風を追求し始めた矢先のことであり、今回の突然の訃報はただただ驚くばかりです・・・。

故人を偲び、太田さんの最後の窯による絶作となってしまった珠玉の黄瀬戸酒器揃を、改めてご紹介致します。



先ずは、唐銅鶴首花入を思わせるような品格ある器形に、鉢などに用いられる刻線を大胆に首部に刻み独創性溢れる作風に仕上げた徳利から。



   太田 梁 作 「黄瀬戸徳利」 H14.5×D 7.5cm・・・・・(売約済

 首部に彩った、タンパンと焦げ、刻線によるコントラストが印象的な景色。

続いて、



   太田 梁 作 「黄瀬戸輪花ぐい呑」 H 4.9×D 5.6cm・・・・・(売約済

 輪花に造形された口縁部と、見込みに彩る可憐な草花文様が洒落ています。

番外編として、桃山時代初期の黄瀬戸の名碗「銘:朝比奈」の雰囲気を太田流に表現された“朝比奈手”のぐい呑もご紹介致します。



   太田 梁 作 「黄瀬戸朝比奈手ぐい呑」 H 4.8×D 6.4cm・・・・・(売約済

  抜けタンパンによる景色。

改めてこの素晴らしい黄瀬戸の作品群を拝見し、この作品をもう新たに見ることが出来ないかと思うと、太田さんのあまりにも早すぎる死が本当に残念でなりません・・・。

研究熱心でお話好きだった生前の太田さんのお姿を偲び、心よりご冥福をお祈り致します。(合掌)


太田 梁 (おおた りょう)

1971年、岐阜県瑞浪市生まれ 2000年、霞仙陶苑に入窯 2002年、黒岩 卓美氏に師事 2005年、瑞浪市に咲良窯を開窯
2006年、東海伝統工芸展 入選 韓国古窯跡を巡る 2013年、逝去
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

週末特別企画(1)/黄金の競演《各務 賢周 編》

2013-07-26 10:08:22 | 工芸
速報つい先程、高校野球岐阜県代表として大垣日大高校が6年ぶり2度目となる甲子園切符を手にしました!!(

それでは、先ずは御三方の中で最年少である各務 賢周さんの黄瀬戸酒器揃から。 
酒器をあまり発表されない賢周さんですが、今回は個展級の出来栄えによる逸品が届きました!!(感謝)
黄瀬戸の名手であった亡父 各務 周海先生譲りの油が滲み出るような「油揚げ手」の釉肌は、しっかりと賢周さんにも受け継がれています・・・。



先ずは、徳利から。



   各務 賢周 作 「黄瀬戸徳利」 H12.0×D 9.2cm・・・・・¥17,850-

 首肩部には、色濃く発色したタンパンと共に、茶目っ気ある賢周さんらしいハートの刻文が。

続いて、



   各務 賢周 作 「黄瀬戸ぐい呑」 H 5.4×D 6.4cm・・・・・(売約済

  タンパンもしっかりと抜けています。

番外編として、賢周さんの“遊び心”満点の徳利もご紹介致します。 なっなんと、徳利には珍しく共蓋と蓋置きまで付いているんですよ!?



   各務 賢周 作 「黄瀬戸徳利」 H12.8×D 8.6cm・・・・・(売約済

  桐箱も特注品で、中敷きが施されています。 

各務 賢周 (かがみ まさかね)

1973年 岐阜県恵那市生まれ。各務 周海の長男 1990年 父・周海に師事 2010年 岐阜県恵那市岩村町に倒炎式薪窯を築窯し、工房を移転
現在は、黄瀬戸の他にも織部や唐津にも取り組む。

明日は、 「太田 梁 編」です。 乞うご期待!!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする