社会科塾講師☆ブログ~しゃかりき!~

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社会の先生の授業の役割って・・

2011年09月19日 08時00分09秒 | 先生としての姿勢・やり方・豆知識

事前予約投稿です。

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現在,世界史の自主勉強中ですが,

今回はそこでふと思ったことをいくつか述べたいなぁと思います。

 

1:社会の先生の授業での役割とは・・

 

教科書はあくまで事実の羅列」です。

教科書は,

「○○年にB国で××運動がおこり,A国はその運動を弾圧した。その結果,B国はA国の保護下におかれた。」

とか,

「○○戦争に参加した知識人にCとDがいる。」

などと,事実だけを書いてありますよね。(後の研究でその事実が覆ることもありますが,それはおいておいて)

 

こう言うと「だから教科書はダメなんだ!」という人がいますが,そうではありません。

むしろ,「事実の羅列」を教科書はしてくれればいいです。

ただし,ただ単に羅列だけをする教科書はダメ(ときどきそういう教科書があり困っています。)。

前後の流れの記述や理解できるような文章構成は教科書でも必要。

事実の羅列をしてくれると,「ここに書いてあるのが,真実。(現在で)」ということで,

数ある説などに惑わされずに済むので。なにごとも教科書が基本ということです。

 

でも,教科書にかかれている事実と事実の間を埋める情報があると,

さらに分かりやすいんですよね。

また,各人物がどういう人物であるかも知っているとさらに。

 

たとえば,

「○○年にB国で××運動がおこり,A国はその運動を弾圧した。その結果,B国はA国の保護下におかれた。」

という教科書の記述に,

B国はA国の人間を人間と思わない行為,たとえば死んでしまうほどの強制労働に我慢の限界を感じ,

××運動というA国への反対運動をおこした。しかし,A国の方が軍事力が強かったため,B国の××運動は

沈められた。もともとA国はB国の地下資源(天然ガスなど)を自分の手に入れたいと思っていたので,

××運動の鎮圧を機に,B国の保護国化した(自分の支配下おいた)。」

など,事実と事実の隙間と隙間を埋めるような内容があるとわかりやすいんですよね。

 

そのような事実と事実の隙間を埋める役割をするのが,

社会の先生の授業だと思うんです。

 

社会の先生で,

教科書にのってないことを説明する,ということに関して

「入試とは全然関係ないマメ知識を話す(たとえば,登場人物の恋愛事情など)」と思いがちの人がいます。

別にマメ知識を話すこと自体はわるいことではないのですが,そればかりに特化して話すのはどうか,と。

しかし,そういう人の多くは「だって,教科書に書いてあることを話しても・・。」と言います。

そりゃ,教科書の言葉をそのまま羅列して話しては,先生がいなくても良いでしょう。

(でも,教科書読んどけ!と言って,自主的に読む生徒はおそらく1割にみたいないでしょうが・・)

 

でも,入試で出るのは教科書の内容だし,

入試うんぬん以前に,一般教養として知っておかなければならない内容です。

だから,授業で何度も説明することで子供たちは頭に入っていくのです。

 

その際に,先ほど言ったように,

教科書に書いてある言葉を理解しやすいよう,事実と事実の隙間を埋めてやるのが先生としての役割だと。

また,教科書の言葉は,植民地化や憲法制定など難しい言葉・具体的に

どういうことか想像できない言葉も

多いので,それをもう少しかみくだいて説明する必要もあります。

それには先生が心の底から用語を理解していなければならないので,先生たちも日々研究が必要だと。

 

 

2:地図で場所を調べるだけで,理解がしやすくなる

歴史ではたくさんの地名が出てきます。

テストでは「地図ではどこの場所にあるか」という問題がでなくても,

地名がどこにあるか地図帳や資料集で確認するだけで,

すっごく頭がすっきりするんですよね,不思議なことに。

 

これはとにかく,やってみるとわかります。

3:理解には何段階かがある

 

1度にすべてを理解するのは実際に無理です。

逆に1度に理解しようとすると,嫌になって何もできなくなります。

私は,まず第一段階は,細かい点はおいておいて,

教科書を読んで,「へーこんな動きがあるんだ。」という程度の理解にとどめます。

(そのときに教科書を見ながらノートをひとまずまとめます。)

 

第二段階で,問題集で何が重要かを確認します。

また問題をみると,「◎◎という体制を何というか。」というように,

その用語の定義(体制なのか,事件なのか,人物なのか,など)がわかりやすくて良いんですよね。

 

第三段階で,参考書や辞書を片手に,1で述べたように事実と事実の隙間を埋めて,

理解をしていく,という

形をとります。

 

さらに,私の場合は第四段階で,問題集作成をすることで,さらに理解を深めます。

問題作成というのは,相手にどうわかりやすく伝え,1つの答えを導いてもらえるか,に重点をおくので,

それまではあまり気にしてなかった,似た用語の見わけなどもそのときにさらに辞書を使って

確認できたりするので。

 

世界史の自主勉強は大変でしたが(通常1年かけてやることを2~3カ月でやろうとしているので),

それによって色々自分の勉強方法や先生としての役割などを再度考えることができたのでよかったなぁと

思います。

 

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