この女性が手にしているカメラをご存じであろうか?
なんだかムービーカメラのような形をしているが、これはレッキとしたスチールカメラ、それもフィルムのカメラである。
その名を「SAMURAI」という。京セラがいまから28年まえに出して大ヒットしたカメラだ。
当時、このカメラはコンパクトカメラのカテゴリーに入っていたと記憶するが、いまのコンパクト機の大きさから見ると、このゴロンとした大きさはそう呼ぶにはかなり大きい。
非常にユニークな形のサムライは右手にすっぽり収まるような形をしているが、じつは左右対称の形で「左利き用」というモデルもあった。世の中に星の数ほどカメラは存在するが、左利きモデルなんてあるのは後にも先にもこのカメラだけだ(と思う)。
そのうえコイツはハーフカメラで、AF一眼レフ機なのである。
「ハーフカメラってなに?」という人のために説明しておくと、ふつうのフィルムカメラはフィルムに写る画像の大きさが約36×24ミリであるが、ハーフカメラはその半分の約18×24ミリの大きさなのだ。
なので24枚撮りのフィルムで48枚撮影でき、36枚撮りだと72枚も撮れるというリーズナブルなカメラなのです。
いまのデジカメやスマホのようにほとんど無限に撮れるという時代ではなかったので、庶民はハーフカメラで1枚1枚大切に撮ったものだ。1本のフィルムの中にお正月とクリスマスの写真が写っていたという話も、あながちウソではないと思う。
じつはきょう写真学校時代の教え子の結婚式にいってたのであるが、こういう席上でもだれがどんなカメラを使っているのか気になってしまい、ついつい手元に目がいく。
このサムライを使っている女性もわたしの教え子なのだが、こんな懐かしいカメラをいまだに使っているなんてステキだと思う。
わたしもほしくなってヤフオクで探してみたが、まともに使えそうなのがない。久しぶりに中古カメラ屋をまわってみようか。
ビデオカメラの開発が遅れていたらサムライのムービーカメラ化なんて進化があったかも、なんてイメージを膨らませる事ができる斬新なカメラですね。
そのお客さんのサムライもついに故障ですか。
もう電気モノのフィルムカメラはほとんど修理できない時代になってしまいましたね。
そうするとオリンパスペンなんか、まだ使ってる人がいるのかも知れません。
いずれにしてもフィルムで撮ることは、かなりマニアの趣味になってしまいましたねえ(泣)