ゆんのひとり言

~お酒とお芝居と歌とスイーツをこよなく愛するゆんの日記~

「アジアの女」@新国立小劇場

2006-10-07 09:17:24 | 観劇記&鑑賞記
殴りつけるような雨風の中、新国まで行って参りました。
     
     

あらためて、この劇場はいかようにもセットが組めて、
面白い空間ですねぇ。
今まで色んな客席&舞台の組み方を見た気がします。
今回はちょうど真ん中にTの字型にセットが組まれていて、
3方に客席がありました。
普通の劇場でもちょっと凝った公演の時、
いつもの客席を潰してセット組んだりするけど、
この劇場は場内の天井に隈なくバトンがあるから、
どう舞台を組んでも照明には差し障りがないところが素晴らしい。
のではないかと。

     
   
さてさて。
いつもの長塚作品とは趣が違う、という前評判を聞いていたのですが、
確かに、たたみかけるようなテンポではなく、
閉塞感漂う静かな時間が流れる作品でした。

大震災後、立ち入り禁止区域内の半壊の家でヒッソリと暮らす
兄(近藤芳正)と妹(富田靖子)。
そして、妹に想いを寄せ、何かと面倒を看る警官(菅原永二)。
そこに転がり込んできたのが、
かつて兄と一緒に仕事をしていた作家(岩松了)。
更に妹に怪しい‘ボランティア’を紹介しにやってくる女(峯村リエ)。

‘精神を病んでいる’のは妹なのだけど、
見えない壁に阻まれて外に出られない兄、
見えない虫の存在に悩まされている作家。
本当に病んでいるのは誰・・・?

            

出演者は芸達者な人たちばかりで、皆さん熱演でした。
菅原さんは最近警官姿をよく見る気がする・・・(笑)

あと、特に劇的に場面や時間が変化する訳ではないのですが、
出演者の心情に合わせて微妙に変化する照明、
好きでした

ラスト、舞台一面に芽生えた緑。
ほぼグレー一色のセットに映えて美しかった
ちょっとメルヘンちっくな終わり方になっていました。

ただ、カテコが無かったのがなんとゆーか納まりが悪いとゆーか。
個人的な好みもあると思いますが。
舞台一面の緑、どうやって置いてるのかな~?と
気になって凝視して、置き方は分かったのだけど、
あれ、踏めないよね。
ピョンピョン飛び跳ねないと避けられない量あるし、
そうやって登場してくるカテコ、美しくないしねぇ。
それでカテコ無しか?とか思っちゃった(爆)
もちろんそれだけじゃないのは分かってますけどー

こういうのも嫌いじゃないな、という作品でした。
来月の安佐スパ公演はどんな感じになるか、楽しみです
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