先日、ぶつぶつ言いながら読み返していた「ヴェニスに死す」は、
この日のためなのでした(笑)
今月は劇団創立25周年を記念して、様々なイベントを開催しています。
ビデオ上映会、ライブ、過去の衣装のオークション、落語会まであります。
他にも興味あるイベントがありましたが、
絞りに絞りこんで2つだけ参加することにしました。
その一つがこの上映会です。
この劇団の公演に足を運ぶようになった頃、
過去の公演パンフレットを販売していて、
あるだけ買ってました(爆)
その中に「ヴェニスに死す」もあって、
なんか名前は聞いたことあるなー、と。
映画が有名ですよね。
ヴィスコンティ監督の映画。
で、興味があって映画も見ました。
タッジオは大変美しゅうございました。
そしてアッシェンバッハはあまりにみじめで、
美しくなくございました。。。
ラスト、コレラで死んでいくアッシェンバッハの額から
つーっと汗が流れおちてきて、
それで化粧が崩れて…はっきり言って‘汚い’んですよね。
そんな映画の舞台化です。
アッシェンバッハを演じるのは笠原さん。
当たり前ですけど、美しいです。
映画ではお化粧をすることで、
かえって老いが際立ってしまっていましたが、
笠原さんは更に美しくなります(笑)
倉田さんオリジナルとして、アッシェンバッハの心の闇の部分、
アッシェンバッハダッシュを登場させていて、
アッシェンバッハとアッシェンバッハダッシュの会話が大半、でしたかね。
トークでも言われていましたが、
まさしく‘アッシェンバッハ’の独り舞台でした。
他の登場人物は「動く大道具」(笑)
原作が原作なので、ストーリーの膨らませようがなく、
アッシェンバッハがどれだけ魅力的か、
タッジオがどれだけ美しいか、に
公演の成功の可否がかかっていると思われます。
児玉さんのタッジオも美しかったです。
髪がね、ちょっとバサバサなのは気になりましたけど
今上演するのは難しいかなぁ~。
アッシェンバッハがねぇ~。
どういう経緯かは不明ですが、
ポーランド貴族の衣装をATSUKI ONISHIが手掛けているんです。
子どもたちはテーラーカラーの衣装、
お母様は白いドレス、家庭教師はグレーのスーツ。
特にお母様(曽世さん)のキレイなことっ!!
三姉妹は瀧澤さん、深山さん、及川さんの3人。
瀧澤さん、キレイだったよな~。
「死の泉」のマルガレーテも、それはそれは儚げな美女でした。。。
それに対して、状況説明の任を負う
ロシア貴族の一家も登場するのですが、
そちらの衣装まではATSUKI ONISHIさんに作ってもらえず、
衣装パレードはもちろん、場当たりの時にすら
衣装が間に合わなかったのだそうです。
キレイな衣装&メイクでしゃなりしゃなりと歩くポーランド貴族と、
稽古用のジャージ姿で歩くロシア貴族。
「この差は何やねん!結局顔なんか!と、悔しくて悔しくて。
あれから屈折が始まったのよね。」
という林さん(ロシア貴族の娘役)のコメントに大爆笑でした。
13年前の公演なので、当然、既に辞めた劇団員も多数います。
児玉さんも、瀧澤さんも…。
続けていくって大変だし、すごいことですよねー。
上映中、ふと、客観的に自分の状況を考えて笑っちゃったんですけど。
狭い空間に120人くらいの人(全員女性!)がひしめいて、
資料用の、決して見やすくはない映像を
じっと見守るの図。
マニアックだわー(爆)
隠し撮りの映像を有難がるのに近い感じかしら。
デジタル時代になると、少しは資料用でも見やすくなるのでしょうか。
暗いから難しいですかねぇ。
次回は落語に行ってきまーす